韓国でタマネギ品種の国産化進む 「日本産輸入品種を代替するため」

韓国でタマネギの国産化が進んでいる。

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これまで日本のタマネギの品質が韓国産よりも優れているとの認識があり、韓国のタマネギの種子市場は日本産シェアが70%以上となっていた。農業当局によると、日韓のタマネギ種子の単価格差は倍近い差があった。それでも韓国農家は価格の高い日本産タマネギ種子を使用してきた。聯合ニュースによる日本産種子単価が2018年基準で約10億円相当の日本産タメネギ種子を輸入していたとされる。しかし、2019年7月の日本による対韓国輸出規制(輸出管理強化)以降、タマネギ種子に関しても国産化のための開発が進んだ。

韓国の農業人新聞は3日、日本産輸入品種がほとんどを占めていたタマネギを代替するために開発された新品種タマネギ「アクネ」(Acne)と「アヒネ」(Ahine)の市場性評価が行われたと伝えた。「アクネ」と「アヒネ」は慶尚南道農業技術院で開発された。

新品種の「アクネ」は、従来の品種(サンパワー=日本の品種)に比べて、消費者が好む濃い色と円形に近い形状を有しており、韓国全南から忠北まで広範囲での栽培が可能であるという。

画像:農業人新聞の当該記事キャプション

また、円形の形状と重量、堅い硬度などで、商品の収量が8%程増えるとのこと。

「アヒネ」は黒カビへの耐病性を持つ白色品種だ。一般的な黄色品種に比べて組織が強く、色の変化も少なく、炒め物に適している。特にタマネギ汁で加工する場合、甘みが強く、タマネギ特有の香りも少なく、加工用に適しているという評価を受けている。

農業人新聞によると、新品種タマネギの市場性評価に参加した卸売市場業者や仲卸業者など農産物流通関係者は「アクネとアヒネは硬さ、色合い、サイズ、糖度などは優れているようだが、保存性は補う必要がある」とし、「アクネは硬度、色合い、模様、糖度、食感が優れており、アヒネは鮮度、糖度、食感が良い」という意見が出された。

韓国産タマネギ品種は他にも企業が開発した「ポムパラム」、「ビースト」、「M5」、「K-スター」、「シンギ2号」などがあり、いずれも品質で日本産を代替できる可能性があると現地農業メディアらは伝えている。

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