首相退陣表明 影響見極め 長崎の立候補予定者ら支持訴え

街頭で支持拡大を訴える立候補予定者。首相退陣がどう影響するか、それぞれ見極めようとしている=長崎県内

 菅義偉首相の退陣意向表明から一夜明けた週末の4日、長崎県内の次期衆院選立候補予定者らは新型コロナウイルス感染拡大に気を配りながら、街頭や会員制交流サイト(SNS)、オンラインなどで支持を訴えた。首相退陣が選挙にどう影響するか、それぞれ見極めようとしている。野党が批判を強める中、総裁選に向け動きだす自民党現職もいた。
 長崎3区に立候補予定の立憲民主新人、山田勝彦氏は大村市内の交差点でマイクを握り、「国会召集を拒み続けておいて、コロナ対策専念を理由に職を辞する菅首相。今の政治はおかしい」と語気を強めた。
 自民現職の谷川弥一氏の陣営関係者は「菅首相との2連ポスターを張り替えるかどうか悩んでいる」と話した。無所属で出馬意向を示す県議の山田博司氏は対馬市内の集落などで演説を重ねたが、首相退陣には触れなかった。
 長崎1区に出馬を予定する3人は、長崎市に「まん延防止等重点措置」が適用されているため、いずれも街頭での演説などは控えた。
 国民民主現職の西岡秀子氏は事務所のSNSを更新し「コロナ対策に専念するのであれば、実効性のある対策を実行するため早急に国会を開くのが菅首相の責務」と主張した。党県連の街宣車が市内を回り、政策などをアピールした。
 安倍晋三前首相の元政策秘書で自民新人の初村滝一郎氏は「(安倍内閣の)総務相、官房長官の時からお世話になった。残念だが、自分のやることは変わらない」。事務所で保守系無所属の市議らと面談し、陣営はポスター貼りの準備を急いだ。
 共産新人の安江綾子氏はオンライン演説会で「被爆体験者の救済も不透明なまま政権を途中で放り出した」と批判した。
 長崎4区の佐世保市内で演説した自民現職、北村誠吾氏は総裁選に言及。所属派閥の会長岸田文雄氏の名前を挙げ、「いち早く総裁選立候補を発表し、特にコロナ対策を具体的に示した。岸田氏に関心を持っていただきたい」と呼び掛けた。
 立民新人の末次精一氏は、首相退陣で自民党への逆風はやむと予測しながら「利権などにしばられる自民の体質は誰が首相になっても変わらない」と淡々と語った。4区内で支援者回りや街頭活動を重ねた。
 長崎2区に立候補予定の立民現職、松平浩一氏=比例北陸信越=は、諫早市内の事務所でスタッフに「新内閣発足で政権支持率もご祝儀相場になるかもしれない。気を引き締めていこう」とげきを飛ばした。

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