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金メダルまであと一歩だった。車いすバスケットボール男子決勝。日本は前回優勝の米国と互角に渡り合った。最後は4点差で競り負けたが、5大会連続出場のベテラン藤本(宮城MAX)の「世界一の舞台で世界一の相手と真っ向勝負で戦えた」という言葉に充実感がにじんだ。
磨いてきたディフェンスが機能した。前半を27-32で折り返して迎えた第3クオーター、京谷ヘッドコーチは「米国戦で出すと決めていた日本で一番速い5人で勝負に出た」。オールコートプレスを仕掛け、鳥海(パラ神奈川SC)、香西(NO EXCUSE)らが速攻から得点を重ねた。46-45と逆転に成功した。
最終クオーターも残り5分49秒の時点でリードを5点に広げた。だが、この終盤の勝負どころで米国はスチールを連発。エースが得点を量産した。決定力の差が出て60-64で振り切られた。
悔しい終わり方にはなったが、今大会の日本の躍進は目覚ましかった。20代の選手たちは早い段階から日本代表に呼ばれ、従来なかった育成法で世界と戦う技術、精神力を培ってきた。結果、鳥海をはじめとする若手は大一番でも物おじせずにプレー。試合を重ねるたびにチームは成長した。12人の総合力はどこにも負けていなかった。
試合後、選手たちは笑顔で健闘をたたえ合った。主将の豊島(宮城MAX)が言った。「今までの先輩方も含めて積み上げてきた歴史がある。このメダルは非常に重いと感じている」。史上最強のチームはメダルという悲願を達成すると同時に、車いすバスケットの未来を切り開いた。