韓国紙「日本の輸出規制品を国産化しても住民が工場反対」「まるで罪人」

韓国企業が「脱日本」のため半導体素材などを国産化しても、工場の設立に地域住民らが反対し難航しているとの指摘が出ている。韓国政府が仲裁に乗り出す努力もないとの見方が出ている。

参考記事:住友化学が韓国で半導体素材生産拡大 韓国紙「脱日本の動きに驚いた」「サンキュー輸出規制」

日本が韓国への輸出を規制(管理強化)した3品目の一つであるフッ化水素を国産化した韓国企業ラムテクノロジーは最近、忠清南道・唐津市を相手に対し、工場設立不許可処分を取り消してほしいとの行政審判を提起した。

ラムテクノロジーは、昨年末から半導体やディスプレイの核心素材であるフッ化水素の国産化と生産の安定化のために唐津市にある国家産業団地内の敷地を買い入れて新規工場を設立しようとしていた。しかし、先月10日に唐津市が住民の反対などを理由に許可を取り消し、工場建設が失敗に終わった。同社は入居に必要な法的要件をすべて満たしたのに、不許可は不当であると主張している。

ソウル経済新聞は6日、「政府は5月にK半導体戦略を発表し、サムスン電子、SKハイニックスなどはもちろん、国内の素材・部品・機器企業の力量を育てると公言したが、いざ素材の国産化に成功した韓国企業は、地方自治団体から工場設立に肘鉄を食らっている」とし、「法的条件を満たしたにもかかわらず、地域住民の激しい反対と自治体の規制障壁を超えられずにいる」と指摘した。同紙は、これら過程で「紛争を解決しようとする中央政府の努力が見えない」とも伝えている。

image

同紙によると、ラムテクノロジーが国産化したフッ化水素は品質が良く、業界の期待も大きかったが、工場建設の取り消しで失望感が高まっているという。同紙によるとラムテクノロジーのある関係者は「地域住民に会社が設計した安全なインフラストラクチャと違法性がない理由をきちんと説明する機会さえなかった」と吐露したという。

ソウル経済新聞は、「半導体の競争力を強化するための企業の努力は続いているが、大小の葛藤が適時解消されず、《K半導体戦略》の実効性に疑問を投げかける声が大きくなる」としており、「各種規制に合わせて工場を設計したのに自治体が突然不許可をする場合があり、ビジネスをする意志そのものが弱る」という関係者コメントを伝えた。

半導体業界と地方政府の葛藤は頻繁に発生しており、サムスン電子やSKハイニクスも自治体や地域住民との交渉で難航した例などを挙げ、「企業はまるで罪人でもされたようにハラハラしながら事業を続けている」と伝えた。

参考記事:韓国経済紙が文政権の国産化政策に疑問「9千億かけて1千億の効果」「日本企業なしに生産不可」

参考記事:日経「サムスン自ら国産化に着手」「意思決定の速さ目を見張る」 「韓国ではなくサムスンが凄い」ネット民

参考記事:韓国でタマネギ品種の国産化進む 「日本産輸入品種を代替するため」

© 合同会社WTS研究所