韓国が「菊」の国産新品種を開発登録 「世界市場でロイヤリティをもらう」

野菜や果物などの品種国産化が着々と進められている韓国だが、今度は花卉で品種登録が行われた。

慶尚北道農業技術院は6日、日本でも人気のある「スプレー菊」(スプレーマム)の4品種を新たに出願登録したと明らかにした。これにより「花卉栽培農家のロイヤリティ軽減と農家所得の向上に大きく寄与するものと期待される」と述べた。韓国各紙も報じた。

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スプレー菊は1本の茎から枝分かれしてたくさんの花をつける洋菊であり、元々アメリカで品種改良され、スプレー状に花をいくつも咲かせる。 日本では本来の菊と並んで秋の代表的な花となっている。

今回韓国開発されたスプレー菊は花色が多様であり消費者の人気を集める見通しだと慶尚北道農業技術院は伝えた。

画像:登録されたスプレー菊新品種「パープルボール」/慶尚北道農業技術院

登録された品種のうち「グリーンボールエヌディー(Green Ball ND)」は、2014年度に交配し育成された。また、「パープルボールエンディアン(「Purple Ball ND)」は2009年度に交配した後、優れた系統を選抜して育成された。

2012年からはすべての花卉作物が国際的に品種保護対象作物として指定され、外国の品種を栽培する場合は、その品種のロイヤリティを支払う必要がある。韓国では花卉作物のロイヤリティとして、日本などに毎年40億ウォン(約3.9億円)以上を払っているという。

スプレー菊は消費者層が多様で、品種更新期間も3〜4年と短く、消費者の好みも急速に変わることから、花卉栽培農家の間で新品種のニーズが増加していたという。

シン・ヨンスプ慶尚北道農業技術院長は、「研究所で育成した菊新品種を本格的に農家に普及すれば、地域花卉産業の競争力の確保に大きな助けになるだろう」とし、「今後、より優れた品種を開発し、世界市場でロイヤリティをもらう品種に発展するように努力する」と明らかにした。

韓国では、最近、サツマイモやブドウ、稲などで、依存度の高かった日本産に代替する国産品種開発が次々となされている。日本の半導体素材輸出規制(輸出管理強化)を受けた素材・部品・装置の国産化の波が、農業分野でも広がっているのが現状だ。

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