韓国紙「外国に奪われた国産種子の復活を」「日本もシャインマスカットで目覚めた」

韓国紙が、韓国内で生産される野菜や食品種の多くが外国にロイヤリティを払っていることを指摘し、「品種主権の回復」を訴えた。

文化日報は6日、ムン・フィス論説委員によるオピニオン記事『韓国種子の復活』において、上記のことを強調している。

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ムン委員は冒頭で「明らかに国内産の野菜・食品の中でも、外国にロイヤリティを払うケースが多い。外国の種子会社にお金を払って種を輸入するのである」とし、「過去の通貨危機時に、国内の主要種子会社が外国に売却され、自国の種子が大挙して奪われた影響だ」と嘆いた。

昨年基準の韓国産種子の自給率は野菜89.9%、花卉45%、果樹17.5%水準とされる。リンゴと梨は20%にも達せず、タマネギとキャベツは日本の種子の割合が80%台水準となっている。ムン委員は、韓国で人気の青陽唐辛子も、その種子の所有権はドイツのバイエル社(化学・製薬大手)にあると伝えた。韓国企業が通貨危機時に米社に売却し、その後所有権が移ったという。

一方で、ムン委員は、「韓国産種子が一つ二つ復活している」ことを挙げ、農業当局などが2012年から国産種子開発のために推進している「ゴールデンシードプロジェクト」が少しずつ結実を見ていることを高く評価した。

画像:サツマイモ国産化進捗について伝える韓国MBNキャスター/当該放送キャプション

同プロジェクトは、韓国政府が韓国内の種子会社に資金を支援し、大型流通業者が商品を購入して販売する方式だ。実際に韓国種子会社が開発した「K-スタータマネギ」や「ホームランキャベツ」などが有名となり、国産パプリカの売り上げも急増している。

ムン委員は、「種子主権に対する目覚めは日本でも遅かった」とし、人気ぶどう品種のシャインマスカットなどを例に挙げ、「元祖である日本が品種を開発しても、2006年、自国のみに登録したため、韓国農家がロイヤリティを払わなくても育てることができるようになり、今は韓国が輸出規模・栽培面積で日本を大きく上回っている」と説明した。そのようなこともあって、「日本では4月に種苗法を改正して、日本産の果物の品種の海外流出を禁止している」と指摘した。

ムン委員は、外国産食品を排斥する気はないとしつつ、「それでも土着の種子だったものが外国にわたりお金を払って種子を買わされるのに、立派な国産種子がないというのは話にならない」とし、そのため「韓国種子の復活は嬉しい」と述べている。

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