神奈川県横須賀市のJR衣笠駅前にあるアパート2階に、鎌倉市の女性が私設図書館を開いた。その名も「衣笠駅徒歩1分図書館」(通称・キヌイチ、横須賀市衣笠栄町)。子どもたちや若者にとって居心地の良い場所を提供したいとの思いに賛同する人々が集まり、相談会や学習支援などの活動が多角的に広がっている。
築50年以上のアパートの6畳と4畳半の和室に、小説や絵本など約3千冊が並ぶ。多くは協力者の寄付によるものだ。あえてジャンル分けはせず、漫画の隣に介護の専門書がそっと置かれていることも。悩んでいることを知られたくない子もいるからと、こまやかな配慮が施されている。
図書館を開いたのは北川幸子さん(41)。本業はさまざまなプロジェクトの進行管理を手掛けるディレクターで、「子どもたちが人と情報につながることのできる場所をつくりたい」と昨年1月に開設した。思いに共感する人が集まり、不登校の子どもたちらを対象にした学習支援も定期的に開かれている。
新型コロナウイルスの感染が拡大した今夏は、オンラインイベントも開催した。「誰かのために何かをしたいという人が集まる場所。気軽に足を運んでほしい」と、北川さんは話している。25歳以下は利用無料。開館日など詳細はホームページで。