韓国の高麗人参が苦戦...売上急減に在庫の山 「コロナで中国観光客が来ない」

画像:高麗人参/JTBC番組キャプション

健康食品として有名な韓国の高麗人参(朝鮮人参)だが、現在は売上が急減し、値が崩れ、在庫も積みあがっているようだ。

JTBCは8日、この問題の特集番組を放送し、高麗人参が苦戦する背景に迫っている。

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番組は、韓国で最大の高麗人参市場である「金山高麗人参センター」を取材した。ここは1年に6千トンの人参が取引される。しかし、リポーターは第一声で「秋夕(旧正月)を控え、足の踏み場もないくらい混みあった場所なのに、今はガランとしています」と伝えた。

同センターのキム・グァンヨプ代表によると、人が多いときは売り場を一周するにも30分かかったものだとしつつ、現在は閑散としている現状を嘆き、「来る人がいないから価格も急落しました」と述べた。往時には中国などからの観光バスが一日に20台から30台はやって来たが、今は1台も来ないという。

画像:往時と現在の市場様子を伝えるJTBC番組キャプション

往時には3万ウォンだった単価も2万5千ウォンにまで落ちたとし、他の市場も似たような状況であるとリポーター伝えている。

高麗人参は物によって品質差があることから、市場で重量や色などを直接見て買う人が多かったが、折からの新型コロナウイルスの影響で人が来なくなったため、現在のような苦境に陥ったようだ。加えて、中国人観光客が来なくなったため、免税店での売上高も2019年比で9割も減ったという。

番組は、倉庫に積み上げられた100トンの高麗人参の様子を映し、以前は(売れ行き良好で)空っぽだったのに「今はこのように3階まで人参ボックスが満ちた状態です」と説明した。

画像:往時には空っぽだったが現在は積みあがる倉庫/JTBC

高麗人参は栽培から収穫まで5年間を要するため、新たな人参収穫を控えた農家の不安は大きいと番組は伝えた。番組は、品質管理のために栽培前後の土地を1年ずつ休まなければならないという事情があることを説明し、「このように価格が暴落すれば、6年〜8年の間に傾けた努力が水の泡になるでしょう」と伝えている。

この報道をみた韓国のネットユーザーからは、

「人参があまりに高く一般庶民は目が向かない。合理的な価格で売れば買うよ」

「一日三食をとるにも大変なのに何が人参だよ…」

「高くて食べられないと伝えてくれ」

「農協が前面に出てオンラインで売らないと」

「米国やカナダの人参がより良いとバレたんじゃ」

「参鶏湯を食べようキャンペーンをやれば良い」

などのコメントがネット掲示板に投稿されている。

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