笑いを取らないと党を除名!?野党は政権を取るつもりなし!?乙武洋匡が日本維新の会・足立康史氏に迫る!

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今回は2021年6月11日に公開された対談の様子をご紹介。ゲストは日本維新の会・足立康史議員です。与野党の関係性や橋下氏引退後の維新について伺いました。

 

維新の会の問題児?

前回の対談を振り返り、「こんなにプラン通りいかなかったのは初めて」と話す乙武氏。「もっと笑いを取らないといけないのかと思った。我が党は笑いを取らないと除名になるんです」と足立議員が話すと、乙武氏も「足立さんがいらっしゃるまで、この番組で一番笑いを取って帰ったのは馬場幹事長だった」と話しました。

足立議員はさらに、「馬場幹事長は四六時中どうやって笑いを取るかしか考えていない。僕らは国会の控室でも、何か話し始めたらオチをつけないと失格になる。そのような厳しい社会を毎日生きている」と話しました。

ここで乙武氏は、馬場幹事長との対談エピソードを紹介します。「馬場さんに幹事長の仕事を尋ねたら『謝る仕事です。うちは問題児がいるので』と話していた。『M山さんですか?』と聞いたら『Aさんです』と答えた」

これを聞いた足立議員は、「僕は2016年からの3年間で6回懲罰動議を受けているが、当時は頑として謝らなかった。代わりに馬場幹事長や遠藤国対委員長が枝野さんのところに謝りに行っていた。僕は今、イメチェンをはかって本来の上品な路線を歩もうとしているが、代わりに今は馬場幹事長が枝野さんのことで荒ぶっている。僕は時代を先取りし過ぎていただけで、今は当時の僕がやっていたことを馬場幹事長がやってくれている」と話しました。

足立議員は、「政界はいよいよ乱世になってきた」と感じているようです。「今年は解散総選挙を経て、今の体制を木っ端微塵にぶっ壊して僕らの目指す政治や国会を作っていく年だ。維新の会も結成後10年が経つ。総選挙を挟んで、第2の10年のスタートの年にしたい」と話しました。

日本維新の会ってどういう党?

橋下徹さんの政界引退後、日本維新の会はどのような変化があったのでしょうか。

足立議員は、「党の方針はほとんど変わらない。当時は個人商店で、創業者である橋下さんに乗っかって統制をとっていた。今は統制を強めながらも組織で役割分担をして、それぞれの個性を持ち合わせながら国政政党に相応しい形になってきた。維新の会は今までにない政党だ。今までの政党は組織政党で、自民党は財界に支えられ、公明党は創価学会、共産党は共産党、民主系は労働組合に支えられている。(他党は)メイドイン永田町だが、維新の会だけは大阪で生まれた。永田町ではなく地域から生まれた唯一の国政政党だから、『大阪の政党でしょ?』と揶揄されたが、新しい政治を作れるのは〝新しい政党:維新の会〟だけだと思っている」と話しました。

乙武氏は、「維新の会は与党なの?野党なの?という質問がある。この質問自体がナンセンスなのでしょうか?」と尋ねます。

足立議員は、「ナンセンスです。今までは与党も万年与党、野党も万年野党だった。万年野党が一番ラクで、政権を取ったら仕事をしないといけないから社会党も政権を取るつもりはなかった。でも選挙には通りたいから『たまには見せ場を作らせてください』ということで、55年体制の構図ができた。

2017年の解散総選挙で立憲民主党が生まれてから〝新しい55年体制〟が確立した。枝野さんは政権を取るつもりなんて全くない。政権を取る気があるなら共産党とは手を繋がないはずだ。万年野党でいてくれると万年与党もラクだから、森山さん(自民党:国対委員長)と安住さん(立憲民主党:国対委員長)が裏でシナリオを書いている。

密室政治で、国民は何が起こっているのか分かりにくいから、裏で何が起こっているかを読み解くのがメディアの仕事になっている。本来は国民に見える形で与野党が論戦すべきで、メディアは政策論を解説してくれればいい。シナリオ通りに動いていない唯一のグループが維新の会だ」と話しました。

維新は〝大改革〟を掲げる政党

乙武氏は、「大阪では維新が与党だが、自分たちが与党になった時の野党との関係性はどう見えているのですか?」と尋ねます。

足立議員は、「大阪では〝大阪の与党:維新〟と〝国政の与党:自民〟が血で血を洗う戦いをしている。その立場からすると、国政の万年政党は何とかしないといけないと思う。自民党には『立憲民主党に気を遣うな』と言いたい。たとえば憲法改正の手続きを定める改正国民投票法案では、3年間議論を凍結するような修正を野党が入れてきて、自民党はそれを受け入れた。

僕らは『修正案を飲み込んだら、それをテコにまた牛歩戦術をされるから絶対に飲むな。飲むなら修正の修正を入れて〝悪用しないこと〟という一文を入れろ』と言っていた。だけど僕らが懸念した通りの結果になった。結局、自民党も万年政党を維持したいだけで日本を本当に良くしたいとは思っていないし、憲法改正をしたいとも思っていない」と話しました。

これに対して乙武氏も、「議席的にはやろうと思えばやれたのに、何故やらなかったのか僕も不思議だった」と話します。

足立議員は、「ある学者が『自民党の強い政治家がいるところこそ、社会資本整備はゆっくり行われる』と言っていた。たとえば、安倍前総理もいる山口県には有名政治家が沢山いるが、十分なインフラが隅々まで行き届いているかと言えばそうではない。一気に開発を終わらせると利益誘導できなくなるから、ゆっくりやる。ジワジワと有権者を引き付け続けるという意味では、万年与党は大改革なんかしたくない。

ところが、激動の世界において日本の繁栄を続け、日本国民の政府と財産を守っていくには大改革をしないといけない。維新は経済社会政策として日本大改革プランを発表した。〝絆創膏を貼り続ける万年与党〟か〝大改革を競い合う政治に転換する維新〟か、国民の皆様にはそれを選択して頂きたい」と話しました。

 

足立康史氏プロフィール

1965年大阪府生まれ。京都大学大学院工学研究科修了後、通商産業省(当時)入省。1988年、米国コロンビア大学国際公共政策大学院修士課程修了。その後、経済産業省商務情報政策局参事官、日本貿易振興機構ブリュッセル・センター所長などを歴任。2011年、東日本大震災を機に退官。退官後はみんなの党に入党するも、大阪維新の会との連携が困難になったことで離党、日本維新の会の結党に参加した。2012年衆議院議員総選挙で初当選。以後再選を重ね現在3期目。日本維新の会国会議員団幹事長代理、同大阪府第9選挙区支部長を務める。

 

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