9月9日、WRC世界ラリー選手権第9戦ギリシャのシェイクダウンが行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのカッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)がライバルたちを大きく引き離すタイムでセッション最速ドライバーとなった。
2013年以来、8年ぶりにWRCのカレンダーに復帰した『アクロポリス・ラリー・ギリシャ』は、9日(木)に開幕し12日(日)に最終日を迎える。シェイクダウンはラリー初日の8時に予定され、ラリーの“拠点”サービスパークが置かれるラミアの北東に設定された全長4.25kmのショートコースで予定どおりに実施された。
木曜日の天気は時折小雨がぱらつく曇天。非常に荒れていることで知られるグラベル(未舗装路)路面はこのところの天候不順によって水を含んでいる状態だ。
そんななか行われたシェイクダウンで、ロバンペラが速さをみせた。今季第7戦エストニアでWRC史上最年少優勝を飾った20歳のドライバーは、アクロポリス・ラリー初参戦ながら1走目でいきなり驚速タイムをマーク。ライバルたちが3分20秒台のタイムを記録するなか、ただひとり3分14秒3という異次元のスピードを見せつけたのだ。
その後、周囲のドライバーたちも自己ベストタイムを更新していくものの、最終的に3分20秒を切ったのはティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)、オット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)、ダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)のヒュンダイ勢のみ。
その中でトップとなった前戦ウイナーのヌービルも3分17秒0どまりでロバンペラがハードタイヤを履いて記録したセカンドベストから1.7秒遅く、ソフトタイヤで臨んだ1走目の全体ベストタイムからは2.7秒遅れることとなった。
ヌービルに次ぐ3番手となったタナクのタイムは3分17秒5。今戦から同郷のカンディード・カレラと新たなコンビを組むソルドは3分18秒3というタイムで4番手につけた。
ロバンペラのチームメイトであるトヨタ勢は、3分20秒7を記録したエルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)が5番手、セバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)が僅差の6番手に続いた。
7番手以下は、Mスポーツ・フォードのガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC)、同アドリアン・フルモー(フォード・フィエスタWRC)、ヒュンダイ・2Cコンペティションのピエール・ルイ・ルーベ(ヒュンダイi20クーペWRC)となっている。総合10番手にはWRC2クラスを戦うマッズ・オストベルグ(シトロエンC3ラリー2)が入った。
気温20℃前後と“らしくない”コンディションとなっている2021年のアクロポリス・ラリー・ギリシャはこの後、首都アテネに移動し18時過ぎ(日本時間24時過ぎ)から市街地に設けられたショートコースでSS1が行われる。
■2021年WRC第9戦ギリシャ シェイクダウン結果
Pos. No. Driver Machine Gap
1 69 K.ロバンペラ トヨタ・ヤリスWRC 3’14.3
2 11 T.ヌービル ヒュンダイi20クーペWRC +2.7
3 8 O.タナク ヒュンダイi20クーペWRC +3.2
4 6 D.ソルド ヒュンダイi20クーペWRC +4.0
5 33 E.エバンス トヨタ・ヤリスWRC +6.0
6 1 S.オジエ トヨタ・ヤリスWRC +6.4
7 44 G.グリーンスミス フォード・フィエスタWRC +7.8
8 16 A.フルモー フォード・フィエスタWRC +8.2
9 7 P-L.ルーベ ヒュンダイi20クーペWRC +10.3
10 21 M.オストベルグ(WRC2) シトロエンC3ラリー2 +12.4
※リザルトは編集部集計