DeNA2年目左腕に三浦監督が寄せる期待 ローテの軸へ…猛省求めた課題とは?

DeNA・坂本裕哉【写真:荒川祐史】

DeNA坂本は投手の九里に初球を安打されピンチを広げた

■広島 11ー3 DeNA(2日・横浜)

DeNAの2年目左腕・坂本裕哉投手は先発ローテの一角。140キロ台のストレート、カットボール、チェンジアップには目を見張るものがある。ただ、先発の“軸”と呼ばれるにはもう一歩というところか。2日に本拠地横浜スタジアムで行われた広島戦に先発したが、6回途中6安打4失点。今季4敗目(4勝)を喫した。

悔まれるのは2回に先制点を許した場面だ。1死一、三塁とされるも8番林を一ゴロに打ち取り(三塁走者が本塁タッチアウト)、ピンチを脱したかに見えた。ところが、続く投手の九里に初球のチェンジアップが高めへ浮いたところを右前打され、2死満塁に。九里にとってはこれが今季初安打だった。そして、1番長野に左中間を破る先制2点二塁打を浴びたのだった。

三浦大輔監督は「踏ん張り所で、せっかく2死まで取っていたのに投手に初球を打たれて流れを悪くした。あの辺が課題だと思います」と猛省を求めた。

光るところもあった。4回に菊池に11号ソロを被弾し追加点を許したが、5回1死二塁でクリーンアップを迎えた場面では奮い立った。3番西川を内角低めストレートで一ゴロに打ち取り、4番・鈴木にはカウント2-2から外角低めのチェンジアップを振らせ三振に仕留めた。

坂本「投手にヒットを許した場面は食い止めなくてはいけなかった」

この時点で90球を投げ、試合は0-3。チームとしては、ここで坂本を降板させ攻撃に転じる選択肢もあった。しかし三浦監督はその裏、先頭の8番・山本が1号ソロを放ち2点差に詰め寄ると、坂本をそのまま打席に送り、6回も続投させた。「状態は良くなかったが、そういう時にどういう投球をするのかを見てみたかった」と指揮官。坂本に成長を期待するからこその采配だろう。

こうして迎えた6回、先頭の坂倉をあっさりと四球で歩かせたのは誤算。続く松山を左飛に打ち取ったところで右腕の伊勢と交代した。結局、伊勢以下の救援陣が打たれ、終わってみれば3-11の大敗だった。

坂本は「先制点を与えてしまい悔しいです。投手にヒットを許してしまった場面は食い止めなくてはいけなかった」と振り返る。2019年ドラフト2位で立命大から入団し、1年目の昨季は10試合4勝1敗、防御率5.67。今季は、4月30日のヤクルト戦でピッチャー返しの打球を左肩に受けて負傷し、約1か月間戦線を離脱した他は、先発ローテを守り13試合で4勝4敗、防御率4.77。昨季より進歩しているのは間違いない。とはいえ、本格派左腕へ首脳陣が寄せる期待はもっと大きい。

立命大の2年先輩である“師匠”の東克樹投手は、昨年2月に左肘のトミー・ジョン手術(内側側副靱帯再建術)を受け、ここにきて2軍で実戦復帰し登板を重ねている。「一緒に1軍の先発ローテで回りたい」と目標を描く坂本。1年目に11勝を挙げて新人王を獲得した先輩と同レベルの信頼を勝ち得るには、さらに注意深くきめの細かい投球が求められそうだ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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