相次ぐ病気、援護不十分 長崎の被爆体験者が証言 オンライン講座開催

© 株式会社長崎新聞社

ビデオ会議システムを使い、原爆に遭った状況や自らの病状などを証言する津村さん(右)と峰会長=長崎市内

 国の指定地域外で長崎原爆に遭い、被爆者と認められない「被爆体験者」の現状や課題について学ぶオンライン講座が9日、始まった。長崎市内の体験者が、自らや家族らにがんなどの病気が相次いだことや、体験者の援護が不十分な現状などを証言。「国は被害実態を無視している」「ただちに被爆者健康手帳を交付して」と訴えた。
 広島原爆による「黒い雨」訴訟で7月に原告全員が勝訴したことを受け、被爆体験者らでつくる「長崎被爆地域拡大協議会」(峰松巳会長)が、体験者の救済に向けた機運を高めようと開催した。ビデオ会議システムを通じて県内外の約30カ所から視聴された。今後も随時開催する。
 0歳の時、爆心地から10キロ付近の長崎市香焼町で原爆に遭った津村はるみさん(76)は、爆風で体が吹き飛ばされたことを紹介。一緒にいた母親は10年余り後に乳がんや子宮がんを発症し、津村さんも50代で甲状腺がんを患った。「治療は一生続き、病院通いに終わりはない」と苦しみを語った。
 被爆体験者の被害実態を調べる県保険医協会の本田孝也会長も講演し、被爆地域外でも放射性物質を含む降雨や降灰、残留放射線などが確認されていると説明。「黒い雨」訴訟では広島高裁が、放射性微粒子などによる内部被ばくの可能性を指摘していることから、長崎の体験者も「同じ事情にあった」として被爆者と認定する必要性を訴えた。