「無罪引受人」弘中惇一郎氏が批判する〝4つの無理筋事件〟秋元司議員の冤罪主張で検察とのバトル激化

会見した秋元司衆院議員と弘中惇一郎弁護士(左)

カジノを含む統合型リゾート(IR)事業を巡る汚職事件で、一審懲役4年の実刑判決に即日控訴した衆院議員の秋元司被告(49)が9日、国会内で会見し、冤罪を訴えた。弁護人として支えているのは“無罪引受人”“カミソリ”の異名を取る弘中惇一郎氏(75)で、検察とのバトルはヒートアップしている。

秋元氏は「検察につくられた冤罪事件であることを裁判所が分かってくれると信じたが、裁判所の認定はあいまいな贈賄方の証言に基づいたもの。言葉は悪いが、一審判決は“秋元は悪である”と結論ありきだったと言わざるを得ず、当然承服できません」と控訴理由を話した。

焦点となっている中国企業元顧問側からの現金300万円の授受に関し、秋元氏は一貫して否定している。授受があったとされる当日の行動について、国土交通省において副大臣として表敬訪問を受けていた証拠があるとして、検察側の主張は「絶対に時間的に不可能」と指摘した。

弘中氏も「(事件は)贈賄方の人たちが現金を持ち込んだのが発端。政治家に渡したんだといって、検察の目を政治家の方に向けさせた。贈賄の事件は収賄は厳しいが、贈賄は執行猶予で済む。被疑者としても自分の罪は認めるが、軽くしてくださいと公然とできるようになった」と司法取引があったとみている。

さらに弘中氏は森本宏氏(現東京地検次席検事)が特捜部長として手掛けた本件を含む計4つの特捜事件(河井克行・案里夫妻の買収事件、文科省の私立大学支援事業を巡る汚職事件、ゴーン元日産会長の報酬過少記載事件)を挙げ、うち3つで自身が弁護人を務めていたことに触れ、「どれも無理がある(事件)」と批判した。

報道陣には「今回の判決報道はやむを得ないが、判決文をそのまま報道している。判決絶対ではなく批判すべき点は批判して報道してもらいたい」と訴えた。

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