新潟県三条市のふるさと納税CMOに、NetflixエンターテインメントジャパンやDAZN Japanなどへの勤務経験を持つ澤正史氏が決定

新潟県三条市の滝沢亮市長(写真左)とチーフマーケティングオフィサーに決定した澤正史氏(写真右)

新潟県三条市の滝沢亮市長は10日の定例会見で、同市が転職サイト「ビズリーチ」を通じて公募していた、ふるさと納税の戦略を立案・実行するチーフマーケティングオフィサー(CMO)を、東京都在住の澤正史氏に決定したことを発表した。

滝沢市長は以前より、ふるさと納税の納税実績金額が少ない点を同市の課題として挙げており、特に隣接する燕市が全国でも上位の実績を上げていることから、今年3月11日の定例会見では「燕市では専門の担当職員も置いており、PR活動でも上手の印象がある。同じものづくりのまちとして、当市にも伸び代はある」と話していた。

こうした状況から、7月9日に市のふるさと納税制度を一から考え実践できるマーケティング特任専門員の公募を開始。公募には国内外から314人の応募があったという。

澤正史氏

2度の面接を経て最終合格者となった澤氏は現在東京都在住。これまでにNetflixエンターテインメントジャパン合同会社、DAZN Japan合同会社、株式会社ソニー・ピクチャーズエンタテインメント、ターナージャパン株式会社へ勤務。ターナージャパンが運営する旅番組専門放送局では、自治体と協力し観光PRにも携わった経験がある。

今後の戦略について澤氏は「単に寄付額を上げるだけではなく、市の良さを伝えてブランド価値を高め、継続的なファンを獲得していく」とし、生産者のストーリーを感じることのできるコンテンツなど、付加価値が高い返礼品や、高単価の返礼品の開発を目標に挙げた。

また、例えば果物の定期便など、1回の申し込みで数ヶ月に渡り返礼品を受け取れる仕組みも展開することによって、寄附者の応募し忘れを減らしていきたいという。

澤氏は今回三条市のCMOに応募した理由について「コロナ禍もあって人と人の交流が必要とされるなかで、三条市が持つ『アウトドア・自然』や『ものづくり』といった強みは今後も求められ、とても重要で将来性が感じられた。町の取り組みや市役所に、チャレンジ精神を感じたこともある」と話す。また新潟との接点について「母が長岡市の出身であり、子供の頃から何度か新潟県には来ていた」という。

滝沢市長は「澤氏には、ふるさと納税を通して三条市の魅力を全国に発信し、地域経済の発展に貢献してもらえると確信している。着任後はすぐに、産業界や農業の関係者などへ、澤氏の考えを発表する機会を設けたい」と期待を語った。

(文・鈴木琢真)

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