前日に首都アテネで開幕したWRC世界ラリー選手権第9戦ギリシャは9月10日、デイ2のSS2～6が行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのカッレ・ロバンペラ（トヨタ・ヤリスWRC）が僅差で総合トップに立っている。
2013年以来、8年ぶりにWRCカレンダーに復帰した“アクロポリス・ラリー”の競技2日目は、アテネからサービスパークが置かれているラミアに戻る行程のなかで、日中のサービスを挟むことなく5本のSSが行われた。
好天に恵まれ乾燥したドライコンディションでの戦いとなったこの日最初のステージでは、オット・タナク（ヒュンダイi20クーペWRC）がステージベストタイムを刻み総合2番手に浮上。初日にトップ3を独占したトヨタの牙城をさっそく崩しにかかる。
一方、選手権リーダーのセバスチャン・オジエ（トヨタ・ヤリスWRC）は、グラベル（未舗装路）ステージの“掃除役”をすることになったにもかかわらず、このステージでタナクと0.2秒差の2番手タイムを記録し総合トップのポジションを維持した。
だが、続くSS3以降は同ステージとSS4で最速タイムをマークした若手のロバンペラがラリーを牽引する存在に。これにタナクが2番手、オジエが3番手で続いていく。
20歳のフィンランド人ドライバーが活躍する一方、チームメイトのエルフィン・エバンス（トヨタ・ヤリスWRC）はギアボックストラブルに見舞われペースダウンを余儀なくされた。またTCへの遅着ペナルティも重なり5分弱の後れを取ることになった。
ドライバー選手権でオジエ、エバンスに次ぐランキング3位につけるティエリー・ヌービル（ヒュンダイi20クーペWRC）もトラブルに泣かされたひとりだ。彼のクルマはSS3終了後に再始動ができなくなった。タイヤのフィッティングゾーンでトラブルの解消にあたりラリーを続けることは可能になったものの、パワーステアリングが効かない状態での戦いを余儀なくされたことに加え、エバンスと同様に遅着ペナルティを受けて大きく順位を落としている。
SS3終了時点で3番手に後退したオジエは、午後のSS5で今大会2度目のステージウインを飾り総合2番手に浮上。ロバンペラとのギャップを2.8秒に縮めてみせる。
■トップ3が4秒差に収まる僅差の戦いに
しかし、2日目最後のステージとなったSS6では、ピエール・ルイ・ルーベ（ヒュンダイi20クーペWRC）がクラッシュした影響でノーショナルタイムが与えられたヌービルに次ぐステージ2番手となったタナクが7冠王者を再逆転。最終的にはロバンペラが首位、3.7秒差の総合2番手にタナクが入り、そこから0.2秒の僅差でオジエが続くトップ3オーダーとなった。
総合4番手につけたダニ・ソルド（ヒュンダイi20クーペWRC）はトップから23秒遅れたが、この内の10秒はジャンプスタートに対するタイムペナルティだ。総合5番手はMスポーツ・フォードのアドリアン・フルモー（フォード・フィエスタWRC）で、僚友のガス・グリーンスミス（フォード・フィエスタWRC）が同6番手につけた。
7番手以下はWRC2クラス首位のマルコ・ブラシア（シュコダ・ファビア・ラリー2エボ）、同クラス2番手のアンドレアス・ミケルセン（シュコダ・ファビア・ラリー2エボ）、WRC3クラス首位につけるクリス・イングラム（シュコダ・ファビア・ラリー2エボ）らサポートカテゴリーのドライバーたちが並んだ。
マシンにトラブルを抱えたエバンスは総合16番手、同じくヌービルは総合18番手でラリーの競技2日目を完走している。
11日（土）のデイ3は、サービスパークがあるラミアを中心に6本のSSが行われる。今大会中、唯一日中のサービスが設けられる競技3日目のSS合計距離は132.56kmとなり4日間で最長に。リエゾン（移動区間）を含めた1日の総走行距離は450.38kmになる予定だ。
