長崎地検 現地建て替え検討 長崎署跡地借用を県に要望

建て替えが検討されている長崎地検庁舎=長崎市万才町

 長崎地検は長崎市万才町の現庁舎の現地建て替えを検討し、仮庁舎用地として長崎署跡地(桶屋町)の借用を県に要望していると10日までに明らかにした。
 同地検会計課によると、現庁舎は1966年度完成。鉄筋コンクリート造りの地下1階地上6階建てで延べ床面積約3900平方メートル。50年以上が経過して老朽化が著しく、取り調べの録音録画(可視化)機材設置などで手狭になっている。2006年度には敷地内に軽量鉄骨造り3階建ての別棟を建てている。敷地面積は約2800平方メートル。
 昨年度、財務省福岡財務支局に庁舎建て替えの意向を伝えた。整備計画の策定準備を進めており、建て替えには一定期間かかるため、仮庁舎用地として長崎署跡地(約1500平方メートル)の借用を今年7月、県警を通じ県に要望した。
 整備計画が未定として、着手時期や借用期間については明らかにしていない。同課は「一刻も早く建て替えたいが、財務当局との間で計画が定まらないと進められない」としている。
 長崎署は昨年3月、JR長崎駅西側に移転。同署跡地と道を隔てた市公会堂跡地では、市が新市庁舎の建設工事を進めており、一体的な活用を目指して19年に県に同署跡地の有償譲渡を申し入れている。
 市は当初、市社会福祉会館(上町)の移転を含めた「福祉に関する施設」を検討していたが、移転しないことを本年度決めたため同署跡地の活用策は現時点で未定。だが市は「町づくりにとっても重要な土地。取得に向け努力する」としている。
 同署跡地は今年2月に施設の解体作業を終え、一部を駐車場として活用。今後の活用策について県都市政策課は「動向を踏まえ、町づくりの観点からどういった方向性が良いか考えたい」としている。

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