〈なおえつうみまちアート〉「動く。動き出す。遊び。」 着用者50人の思い込め 作家の松岡さんアートシャツ制作

 上越市直江津地区で開会中の「なおえつ うみまちアート」に出展する「動く。動き出す。遊び。」の作品制作が10日から12日まで、同市西本町3の同イベント安国寺通り特設会場で行われている。直江津ゆかりの人たちが約2カ月間着用したシャツを、布作品に加工する様子を見ることができる。

50人の思い出が詰まったシャツを布の作品に加工する松岡さん

 制作している作家は松岡亮さん(47)。会期前に直江津を訪れてイメージしたものを、50枚のシャツに刺しゅうし7月初めごろに希望する市民ら50人に配布した。街で着用することが作品の第1段階で、思い出の詰まったシャツは5日に回収して1枚の布に加工、13日から展示される。

 シャツを着用してもらい、それを作品にする試みは松岡さんにとっても初めて。「人が着たことで力や思い出が出てくる。(シャツを見て)たくさん着てくれたと感じた」と話した。刺しゅうの部分を切り取り、ミシンを使ってその時々のイメージで縫い合わせていく。そのため最終的にどのような作品になるかは本人にも分からないという。

 松岡さんは「シャツを見た人、着た人、初めて見る人で感じ方が違うと思う。見方は自由。『遊び』なので楽しんで見てもらえれば」と話している。

© 株式会社上越タイムス社