重い大根、スイカも… アシストスーツで収穫楽に 神奈川・三浦の農家に導入

アシストスーツを装着して中腰で大根を収穫する小杉さん=2020年(イノフィス提供)

 神奈川県三浦市内で、農作業による負荷を軽減する「アシストスーツ」を導入する農家が出始めている。大根やスイカといった重量野菜の産地で、腰痛に悩む人は少なくない。効果を体験してもらおうと、県農業技術センター三浦半島地区事務所(同市)も希望者に貸し出している。

 同市初声町和田の小杉智さん(65)は家族で大根とキャベツを栽培しているが、特に大根は一日にざっと2500本を収穫して箱詰めする。中腰のままの長時間労働が影響して10年以上腰痛に悩まされ、痛み止めや湿布薬を貼ったり、整体院に行ったりしていた。

 昨年秋には痛みがひどくなり、販売店に出向いて装着を体験。アシストスーツの開発・販売を手掛けるイノフィス(東京)の製品「マッスルスーツ」を約15万円で購入した。

 圧縮空気を利用して、腰への負荷を分散させる仕組み。小杉さんは「ケースの持ち上げや中腰での作業は楽になった」と喜ぶ一方、「圧迫感があって歩きづらく、移動を伴う作業には適さない。作業内容や体の状況を考慮し、必ず試着してから判断したほうがいい」とアドバイスする。

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