来春開設の相模原の夜間中学 市や県など4者が連携協定 「学びたい人、取り残さない」

協定を締結した本村相模原市長(左から2人目)と黒岩知事(同3人目)ら=県庁

 相模原市が来年4月に開設する夜間中学「市立大野南中学校分校夜間学級」(同市南区)を巡り、同市と県、同市教育委員会、県教委は7日、連携協定を結んだ。市外の自治体から生徒を受け入れる広域的な仕組みづくりや県立高校の校舎の一部を活用するなど、さまざまな面で4者が協力していくことで合意した。夜間中学に関して県と政令市が協定を結んだのは全国初という。

 協定締結式が同日、県庁で開かれ、同市の本村賢太郎市長が「学びたいという人を誰一人取り残さず、共生社会の実現を目指して連携していきたい」とあいさつ。黒岩祐治知事は「しっかりと連携し、神奈川発の共生社会の実現のため、ともに前進していきたい」と述べた。

 夜間中学は学び直したいと考える高齢者や不登校だった人、外国籍の人など、十分に義務教育を受けられなかった人が対象。生徒は3学年で30人程度を想定し、小田急相模大野駅近くの県立神奈川総合産業高校の施設の一部を活用して開設される。市と市教委が設置・運営し、県と県教委が教員の一部を派遣し校舎の改修などで協力する。

 県内の公立夜間中学は現在、横浜、川崎市内に1校ずつ設置されているが、いずれも市内在住・在勤が入学要件となっている。相模原市は市外在住の入学者の居住自治体と協定を結び、運営費などの一部を当該自治体に負担してもらう仕組みづくりを目指している。(佐野 克之)

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