ソフトバンク初回11失点惨敗…工藤監督ショック隠せず「今日はごめん」異例の会見一問で終了

ソフトバンク・工藤監督(左)にとっては、予想だにしない試合となってしまった(東スポWeb)

王者が札幌で屈辱的な敗戦を喫した。4位からの逆転優勝を目指すソフトバンクは、11日の日本ハム戦(札幌ドーム)に5―17の大敗。初回に40分の猛攻を受けて11失点。1イニング11失点はダイエー時代の1999年4月7日のロッテ戦(北九州)以来、22年ぶりだった。

試合後の会見に臨んだ工藤公康監督(58)はショックを隠しきれなかった。「うーん…初回がすべてって言ったらすべて。それしかない」。大きく息を吐き、目は少し潤んでいた。「まあ自分も長く野球をやっているが、こういうこともなかなかない」。常勝軍団を率いる立場。精いっぱい、現実を受け止めて言葉を紡いだが、つながらなかった。就任以来、報道陣の質問を一通り受けつけ「他にありませんか」と断ってから会見を締めてきた。だが、この日は一問のみで「今日はごめんなさい」と頭を下げ、球場を後にした。

先発・石川が大きくつまづき暗転した。制球に苦しんだ右腕は1回持たず10失点。味方の失策が絡んで自責は3だったが、3四死球と乱れて痛打を浴びた。2番手の高橋礼も悪い流れを引きずり安打と四球から失点。相手は最下位、前夜の7回まで27イニング連続無得点のチームだった。負けられない戦いが続く王者にとっては、受け入れがたい大量失点だ。

2回も高橋礼が2与四球、5安打を浴びて5失点。2イニング連続で打者一巡の攻撃を許し、一時スコアは「0―16」となる屈辱を受けた。

王者のプライドが傷ついた「札幌の悲劇」。逆転優勝へ下を向く暇はない。一夜でショックを振り払い、前へ進むしかない。

© 株式会社東京スポーツ新聞社