【セントウルS】馬匠渡辺「打倒ダノンスマッシュは負け組に潜んでいるかも」

3歳馬ながら2着に追い込んだピクシーナイトは本番でも要注意(東スポWeb)

【渡辺薫&柏木集保「私たちはこう見た」セントウルS】

渡辺 本番のスプリンターズSにはダノンスマッシュという“横綱”がドンと構えている。それでも挑戦状を叩きつけるだけのレベルに達していた前哨戦と見ていいだろう。

柏木 香港遠征(チェアマンズスプリントプライズ6着)からの直行は予定通り。ダノンがきっちり態勢を整えてくるとあれば主役の座は譲れません。それでも過去10年の連対馬20頭のうち、実に9頭がこのセントウルSからの参戦でした。最重要レースの位置を占めていますし、今年の上位馬も本番でも好走の資格アリですね。

渡辺 レシステンシアは2番手から押し切る正攻法の競馬だった。勝つべき馬が勝ったといえるが…。舞台が中京から中山に移っても同じようにいくかどうか? 直線には急坂が待ち構えているし牝馬にそこまで底力があるか一抹の不安も残る。

柏木 中山の方が前半のペースは速くなりますし、楽ではないことは確かです。なので本番はおそらく“逃げ”の手には出ないと見ています。高松宮記念では中団から差す競馬もしていますし、ルメール騎手は次を見据えて“番手”から進めたのではないでしょうか。

渡辺 むしろ“打倒ダノンスマッシュ”は負け組に潜んでいるかもな。気になる存在が2着ピクシーナイトと4着ジャンダルムだ。

柏木 ピクシーナイトは前走のCBC賞も2着。ただ小倉の高速馬場で1分06秒1の時計はうのみにできない面もありました。今回の相手関係でもしっかりと結果を残して、改めて素晴らしい資質をアピールしましたね。本番に向けてはこの馬が最も気になる存在です。

渡辺 まったく同感だがジャンダルムも負けていない。今回もスタートがひと息だった分、届かなかったが最速32秒6の脚で追い上げた内容は一線級に交じっても能力は通用することを示した。

柏木 春の春雷Sが1分07秒3の好時計勝ちと中山で実績を残している点も心強いですね。同じ上位入線組でも5着のカレンモエは力負けが否めません。GⅢでは善戦できてもGⅡ以上では壁を感じる内容でした。

渡辺 実績なら負けていないラウダシオンはまったく見せ場がなかった。ベストは千四から千六。スプリント戦は適性がないということか。

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