大月みやこ 国立劇場コンサートに感激「今日までの歌の道、その集大成と感じています」

踊り手と共に幽玄な能の舞を披露する大月みやこ

演歌歌手・大月みやこ(75)が14日、東京・千代田区の国立劇場大劇場で、スペシャルコンサートを開催。ファン約800名が会場に詰め掛けた。

国立劇場は、歌舞伎・日本舞踊をはじめとする日本の伝統芸能振興の趣旨で昭和44年に開館され、その長い歴史の中でも、歌謡曲・演歌のジャンルでの公演はまれ。大月も「日本文化の殿堂で、愛すべき日本の歌謡曲をお届けできることは、大変光栄なこと、今日までの歌の道、その集大成と感じています」と語った。

オープニングでは、一途な女ごころを、薪能(たきぎのう)の炎に喩えた名曲「女の舞」で、琴・鼓・太鼓・篠笛・三味線をフィーチャーし、篝火が映し出されたスクリーンをバックに歌唱。曲の途中で、踊り手と共に大月自身も、幽玄な能の舞を披露するなど国立劇場ならではの幻想的なステージを見せた。

さらに幼少の頃、習い事で始めた童謡・唱歌のメドレーや、春日八郎・三橋美智也の代表曲をメドレーで披露。「当時、大スターだったお二人のステージを舞台袖から見せていただいたあの経験が、私にとって財産であり、宝物です」と語った。

終盤には大月の代表曲「女の港」など一気にヒット曲のオンパレード。「氷雪の岬」「乱れ花」「夢日記」「いのちの海峡」「女の駅」そして、第34回日本レコード大賞・大賞受賞曲「白い海峡」と続き、時代を飾った思い出深い代表曲を一気に熱唱。全25曲を歌唱した圧巻の集大成コンサートは幕を閉じた。

今年デビュー58年目を迎え、ますます磨きがかかるその歌唱力と表現力、その圧倒的な存在感は、今後も目が離せない。

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