石井慧 19日にK―1で初キック戦… “猪木イズム” 体現へ 驚愕の人間サンドバック特訓

公開練習を行った石井慧

MMAファイターの石井慧(34)が、立ち技格闘技「K―1 WORLD GP 2021 JAPAN」(20日、横浜アリーナ)での愛鷹亮(31)とのK―1ルールデビュー戦へメラメラと闘志を燃やしている。北京五輪柔道男子金メダリストは、キャリア中で対極ともいえるリングで一体どんな戦いを見せるのか。そのヒントとなるのが〝猪木イズム〟だ。

石井はシャドー、ミット打ちの練習を公開。重いパンチと切れ味鋭い動きで好勝負を予感させると「日本は暑いっすね。蒸しますよ。体調? 疲れも抜けてきていい感じです」と笑顔を見せた。

K―1マットに参戦するのは、2010年11月のK―1MAXで柴田勝頼と総合格闘技ルールで戦って以来となる。K―1ルールは初となるが「考えつく限りのことを向こうでやってきました。無知ゆえの好奇心というか、そういう気持ちもあります」と豪語。相手の愛鷹については「パンチで倒してるんで、パンチがあるのかなという印象ですね」と分析した。

現在、拠点とするクロアチアでは元K―1ファイターのミルコ・クロコップに師事しており、立ち技に慣れるために「ひたすらスパーリングをしないとダメだ」とアドバイスを送られたという。この言葉に従い、1ラウンド(R)4分で2分ごとに相手が交代するハードスパーリングを3~4R、週4日程度のペースで敢行。ミルコとも2回、K―1ルールのスパーリングを行った。

さらに石井は「しっかり(相手の打撃を)もらう準備をしてきた」とも語る。練習仲間でRIZINにも参戦したテオドラス・オークストリスに「キックボクシングで勝つなら、もらうつもりで打つべきだ」と言われた際、石井は「そういえば以前、(アントニオ)猪木さんにも同じように『打たれるつもりでいけ』と言われたのを思い出したんです。だから(攻撃を打つのと受ける比率が)50対50じゃないですけど、それくらいのつもりでいきたい」とかつて受けた〝闘魂指導〟を思い出したという。

そこで打撃を受ける練習にも着手。スパーリングで一方的にハードパンチャーに殴られたのを手始めに「後ろ手を縛って、テオドラっちゃん(オークストリス)に殴り続けてもらったりしました。おかげで殴られることに慣れました」と驚異の特訓も行ったと明かす。さながら「人間サンドバッグ」となった効果はバッチリだった…と信じたい。

未知のリングで期待値は高いが、思い通りのパフォーマンスを発揮できるのか。運命のゴングまでもうすぐだ。

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