仮面女子・猪狩ともかが卒業撤回「本当にここ数日で決めたことです」 メンバーは万歳で大喜び

「卒業」を撤回した猪狩ともか(中)

地下アイドル「仮面女子」の猪狩ともか(29)が19日、東京・秋葉原の仮面女子カフェ2部公演で生誕ライブを行い「卒業撤回」を発表した。

猪狩は昨年2月、「9月のワンマンを区切りにグループから卒業」と発表していたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響でワンマンは12月に延期。その後、自身が作詞した「ファンファーレ☆」を含むグループ初のアルバムが発売されることから卒業を再延期。「何度も卒業、卒業って…閉店セールとか、するする詐欺みたいですみません」と笑わせていた。

アルバム発売後は、パラ応援大使として関連イベントやNHKの東京パラリンピック中継番組などに出演。それを意識したそうで、バースデーケーキはメダル30個のトッピングをリクエスト。「クッキーでできたメダルなんですけど、これならかじっても怒られませんよね」と笑いを誘った。また、メンバーからの手紙の後には熱い激励メッセージで知られる「我武者羅應援團」がサプライズ出演し、ファンファーレ☆に合わせたパフォーマンスを披露。「あなたの美しい姿は俺たちへの応援歌、ファンファーレなんだよ」「生きていてくれてありがとう」などと激励メッセージを届けた。

最後のあいさつで「会場に来てくださった皆さん、配信をご覧の皆さんに伝えたいことがあります。最後の生誕祭になるって言ってたのに、なんでと思う方もいるかもしれませんが、卒業しないことにしました」と発表。それを聞いたメンバーは万歳。会場から拍手が起こった。

「発表を前にドキドキしていましたが、温かい反応をいただきありがたいです。何度も延期してきて、卒業するする詐欺みたいですが、今回の決定は本当にここ数日で決めたことです」と説明。いろいろなメディアに出るなかで、多様性が必要だと実感。仮面女子こそが多様性の象徴だと力を込めた。

「仮面女子に残る決断をしたので、グループの役に立つように頑張ります」と決意を述べた猪狩。「もう30歳なんだから、やめとけよという意見もあると思いますが…。三十路を迎えるにあたってこの曲で終わりにしたいと思います」と、ラストはワンフレーズ曲「三十路」で締めくくった。

☆いがり・ともか 1991年12月9日生まれ。埼玉県出身。2017年からアイドルグループ「仮面女子」に加入。18年4月に強風で倒れた看板が直撃して脊髄を損傷。車いす生活となったが、約4か月半のリハビリを経て、ステージへの復帰を果たした。現在はアイドル以外にも活動の幅を広げ「東京2020パラリンピックの成功とバリアフリー推進に向けた懇談会」のメンバーに選出。東京都の「パラ応援大使」も務めるなど、パラスポーツの普及に尽力している。154センチ。

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