【秋場所】新横綱・照ノ富士がストレート給金 看板力士の自覚十分「土俵の上でいい相撲を」

玉鷲(右)の突進に苦戦した照ノ富士だが…

大相撲秋場所8日目(19日、東京・両国国技館)、新横綱照ノ富士(29=伊勢ヶ浜)が幕内玉鷲(36=片男波)を寄り切り、ストレート給金を決めた。

どんな窮地にも屈しない。照ノ富士は右前みつを取るも玉鷲に周り込まれ、のど輪にのけ反ってしまう。しかし、土俵際に踏みとどまり、もろ差しで形勢逆転。そのままベテランの相手を退け「冷静に相撲を取れたと思います。一生懸命やっているだけです」と振り返った。

絶体絶命のピンチを乗り越えて無傷の8連勝。これで早くも勝ち越しを決めた新横綱は「まだ終わったわけではないので」と話すように、表情が変わることはない。また、白鵬(宮城野)が不在の中、一人横綱として横綱土俵入りから取組まで注目を集め、大きな拍手を浴び続ける。こうした独特な雰囲気にも「土俵の上でいい相撲を見せられたらいい」と、看板力士としての自覚を感じさせる。

前半戦で圧倒的な強さを見せつけた照ノ富士。このまま崩れることがなければ賜杯が現実味を帯びてくるが「まだ終わったわけではない。一日一番頑張っていきたい」と気を引き締めた。

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