韓国団体「ダイキン工業は戦犯企業、韓国で半導体用ガスを生産するな」 政権与党は対応に苦慮も

韓国で半導体製造用ガスの工場設立を進めているダイキン工業に対し、韓国の左派系団体や政党などが反対対する会見を開いた。ダイキンを「戦犯企業」と批判している。

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「唐津新聞」は17日、ダイキンの工場設立地である忠清南道唐津(タンジン)において、これに反対する政党・団体の糾弾記者会見が開かれたことを伝えた。

この日の記者会見には、唐津歴史文化研究所のキム・ハクロ所長、YMCAクォン・ジュンウォン事務総長、民族問題研究所ハン・グァンフイ唐津市支会長、進歩党のチョン・ノグム事務局長らが出席した。民族問題研究所は左派系民間団体であり、過去に『親日人名辞典』を発刊している。進歩党は反資本主義を標榜する左派系政党だ。

一同は記者会見おいて、「忠清南道と唐津市は今年1月、松山(ソンサン)一般産業団地に半導体製造用ガスを生成するダイキン工業を誘致し、投資金額は5年間40億円(420億ウォン)規模が予想されると発表した」とし、「しかし、ダイキン工業は、軍需物資を生産し納品していた戦犯企業であり、侵略戦争の時期に戦争行為に直接または間接的に加担した」と説明した。

続けて、「さらにダイキン工業は、フッ化水素を加工した半導体用エッチングガスを生産する企業である。フッ化水素は、危険な有毒ガスで過去2012年に慶尚北道亀尾(クミ)において流出事故が発生し、現場に出動した消防士、警察や近くの住民に被害を与えたこともある」とし、「有毒ガスを生産する企業が唐津市に入居するということは大きな問題だ」と述べた。

また、「このような状況において、忠清南道と唐津市が、安全性が立証されておらず、戦争犯罪行為に加担した企業として謝罪など道徳的責務を果たさないダイキン工業を松山一般産業団地に誘致するというのは正しくない」と指摘した。

最後に、「忠清南道と唐津市は、フッ化水素製造企業であるダイキン工業の投資誘致計画を即座に撤回せよ」とし、「戦犯企業ダイキン工業の松山一般産業団地の誘致と入居を拒否する」と強調し、忠清南道と唐津市の公式謝罪を要求した。

画像:今年1月に忠清南道庁とダイキンが結んだMOU式典様子/忠清南道

民族問題研究所のハン・グァンフイ支会長は、「韓国は、日本が強制徴用判決を不服とし、経済戦争を宣言した日本と経済戦争を行っている」とし、「このような状況で、有毒ガスであるエッチングガスを生産する戦犯企業ダイキン工業が唐津地に入居することに反対する」と述べた。

ダイキン工業は今年1月、韓国のC&Gハイテク社と合弁法人を新設し、唐津(タンジン)·松山(ソンサン)における外国人投資地域3万4070平方メートル(約1万306坪)の敷地に半導体製造用ガス(エッチングガス)生産工場を新築することで忠清南道庁とMOUを締結していた。生産したガスはクライアントであるサムスン電子、SKハイニックスなど韓国半導体メーカーに納品する予定であったと伝えられる。

日本政府が2019年7月にとったフッ化水素など半導体素材3品目についての対韓国輸出規制(輸出管理強化)以降、韓国政府は同品目などの国産化を進めてきた一方で、日本企業を含む海外関連企業の工場誘致やその優遇を進めてきた。その結果、ダイキン工業をはじめ、東京応化工業(TOK)や住友化学、米デュポンなどが進出・生産拡大を表明している。

リベラル層を支持母体とする韓国政権与党としては、左派系団体たちによる今回の反対運動の推進は、様々な意味で対応に苦慮する可能性がある。

参考記事:韓国紙「世界の半導体素材企業が韓国に集結」 専門家「国産化より確実」

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