漫画で音楽を身近に 「クラシック作曲家列伝」出版 長崎でピアノ教室主宰 山道さん

新著を手に「クラシック音楽を身近に感じてもらえたら」と話す山道さん=長崎市茂里町、長崎新聞社

 長崎市葉山1丁目の「やまみちピアノ教室」を主宰する山道由佳(ペンネーム・やまみちゆか)さんが、「クラシック作曲家列伝」(マール社)を出版した。自ら描いた漫画や記事でバッハら有名作曲家の知られざる人物像に迫っている。
 バロック時代(17世紀初め~18世紀半ば)から近現代までの12人を収録。バッハがもめ事を起こしては転職を繰り返していたことや、モーツァルトが神童と呼ばれながらも世渡りが下手だったことなど、さまざまなエピソードがユーモラスな漫画で描かれている。
 記事ではそれぞれの人生の足跡を詳しく解説。バロックから古典派、ロマン派を経て近現代に至る音楽史や、ブラームスとワーグナーの対立など作曲家の相関図を描いたイラストも掲載されている。
 山道さんは長崎大教育学部音楽科卒、同大学院修了。第2回ヨーロッパ国際ピアノコンクールin Japan(2011年度)で2位となった。現在はピアノ教室での指導の傍ら、県内を中心に演奏活動を行っている。子どもの頃から漫画を読んだり描いたりするのが趣味で、これまでに「マンガでわかるはじめての伴奏法」(自費出版)「ぼく、ベートーヴェン」(カワイ出版)の2冊を出版している。
 本作は19年からツイッターに投稿していたクラシック作曲家の紹介漫画が、マール社の目に留まったのをきっかけに、投稿分と書き下ろしを編集して出版。監修はテレビ番組「題名のない音楽会」で音楽アドバイザーなどを務める飯尾洋一さんが担当した。山道さんは「作曲家の人間性を知ってもらうことで、難しいイメージがあるクラシック音楽を身近に感じてもらえたら」と話している。
 A5判、167ページ。1870円。

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