「不妊男子」 現実と向き合う夫婦の姿 コミック第1巻刊行

コミック「不妊男子」第1巻の表紙

 長崎県在住の漫画家、玄黄武(げんこうぶ)さんが初のコミック「不妊男子」第1巻(小学館)を刊行した。子どもを授かりたいと願う夫婦が、現実に懸命に向き合う姿を描いている。
 同作は小学館がインターネット上で展開するマンガレーベル「スペリオール・ダルパナ」で、昨年12月から月1回連載中。愛する妻、百恵と暮らし、仕事も順風満帆な日々を送る30代のマサカズ。ある日、百恵が子どもができないことに悩んでいるのを知る。子どもをつくるために行動を始める2人だったが、思わぬ事態が起きて…というストーリー。
 玄黄武さんは30代後半で漫画家を志し脱サラ。独学で画法を習得しビッグコミックスペリオール新人賞などを受賞。本作の連載でデビューを飾った。オンラインでの取材に「賞を取るまでの数年間で約10作品を描いた。作品ができるたびに上京し出版社を巡ったが、ことごとくダメ出しされ、心が折れそうになった時もあった」と振り返る。
 不妊というテーマについて「身近なことなのに、タブーな空気をまとっている。当事者たちが周囲の人らに気軽に相談できる社会になればいい」と述べ、「何かを生み出すのは大変だが、その過程こそが大切であることを読者に伝えたい」と語った。
 「不妊男子」第1巻は216ページ、650円。


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