佐世保に福岡造船事務所 SSK希望退職者を採用

 福岡造船(福岡市)は21日、船舶の設計を手掛ける子会社、ふくおかクリエイト(同市)の事務所を長崎県佐世保市立神町に開設した。来年1月に新造船を休止する佐世保重工業(SSK)の希望退職者5人を雇用し、事業をスタート。今後もSSKの希望退職者を中心に採用を続け、来年3月までに15人程度に増やす方針。
 SSKは業績悪化を受け、来年1月で主力の新造船事業を休止。希望退職者の募集に248人が応募し、順次退職している。
 福岡造船は福岡市や長崎市に工場を持ち、ケミカルタンカーやセメント運搬船などを年間7~8隻建造している。設計業務は一部外注しているが、自社で行うよう検討していたところ、今年2月にSSKが新造船休止と人員削減を発表。設計に携わっていた希望退職者を雇用するため、7月に子会社を立ち上げ、佐世保事務所を設立した。
 同事務所では基本、福岡造船が建造する船舶の設計を行うが、将来的には他社から設計を受注することも視野に入れている。SSKの希望退職者のほか、地元の工業高校の新卒者らも採用し、5年間で31人を雇用する計画。
 ふくおかクリエイトと県、佐世保市は21日、立地協定を締結。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、調印式は実施しなかった。朝長則男市長は同日、定例記者会見で「採用支援などを積極的に実施し、最大限バックアップさせていただく」と述べた。
 福岡造船の2021年3月期の売上高(単体)は275億3千万円。従業員数は単体で153人。


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