阪神が首位に立つが、WPAのセ1位はヤクルトの4.84
ペナントレースも佳境を迎えている2021年のプロ野球。セ・リーグは阪神が首位に立ち、ヤクルトと巨人が追う構図となり、パ・リーグはロッテが首位、オリックス、楽天、ソフトバンクが追いかける形で、残り試合数も30試合ほどとなっている。
今季ここまで110試合前後を消化してきた12球団。では、果たして、ここまで各チームの打線はどれだけ勝負強く、重要な場面で得点を生み出してきたのだろうか。
セイバーメトリクスの指標には、各選手がどれだけ勝利期待値を増減させたかを示す「WPA」というものがある。これはプレーした状況を考慮し、同じヒット、同じタイムリーでも勝敗の分かれ目となる重要な場面での一打がより評価される指標。これを見ると、どのチームが、より勝負どころで一打が出ていたかを読み解くことができる。
では、阪神が首位を走るセ・リーグを見てみよう。データはセイバーメトリクスの指標などで分析を行う株式会社DELTAのデータを参照した。
中日の勝負弱さはセ・リーグの中でも際立つ結果に…
セ・リーグでNo1のWPAを記録したのは2位で阪神を追いかけるヤクルト。2位の阪神に1.5以上の差をつけるWPA4.84を記録する。ヤクルトはチーム打率.260、チーム得点498もリーグトップで、村上や山田を中心とした打線の強力さが良く分かる結果となっている。
ヤクルトに続くのがリーグ首位の阪神で3.31、3位が同3位の巨人で3.27となる。阪神は共にリーグ4位の打率.251で456得点、巨人はリーグ5位の打率.246でリーグ3位の467得点。チーム打率では下位の広島やDeNAより劣るものの、効果的な一打で白星を挙げていると言える。
セ・リーグの4位はDeNA、5位は広島に。この両チームのチーム打率はリーグ2位タイの.250を記録するが、DeNAはリーグ2位の471得点、広島はリーグ5位の421得点。どちらも投手陣で苦労しているが、WPAが示す“勝負強さ”の面でも。順位の差に表れている。
セ・リーグでぶっちぎりの最下位となったのは中日でWPAは-10.93。これはパ・リーグで最下位だった日本ハムよりも下で、12球団ワースト。チーム打率.240、チーム得点353もリーグ最下位で、とにかく打てない、ここ1番での1本がなかなか出ないというのが、この数字からも浮き彫りになっている。(Full-Count編集部)