阪神・矢野監督は痛すぎるドロー決着にも「皆、精いっぱいやってくれていると胸を張って言える」

福留に同点適時二塁打を打たれたスアレス

阪神の守護神、ロベルト・スアレス投手が23日の中日戦(バンテリン)の3―1の9回にクローザーとして登板するも2失点を喫し、今季初のセーブシチュエーションでの救援に失敗。サヨナラ負けこそ免れたが、チームは3―3の痛すぎるドロー決着で今季最後の中日戦を終えた。

9回無死一、三塁から大島と福留に適時打を浴びた守護神を「スアちゃんがおらんかったらこの位置にいない。負けるのと引き分けるのは全然違うし、よく踏みとどまってくれた」と矢野監督はかばったが、勝てたはずの試合を土壇場で落としたダメージは大きい。1点ビハインドの8回に大山が一時逆転となる2点適時打をマーク。その裏は「8回の男」岩崎が貫禄のパーフェクトリリーフ。鉄板の「勝てる流れ」にもかかわらず、気まぐれな勝利の女神は最後に虎をソデにした。

直近6試合合計で9得点しか挙げられていない打線の低調も気がかりだ。矢野監督も「毎日同じコメントしているけど」としつつ「しんどいよな。打線が点を取れないとピッチャーに負担がかかる。きょうはマルテと悠輔が点を取ってくれたけど、返すバッターが何とか状態をあげてくれないと」と苦虫をかみつぶしたような表情を見せる。

翌24日からは敵地東京ドームで3位・巨人との3連戦。「調子がどうこう言ってる場合じゃない。皆、精いっぱいやってくれていると俺は胸を張って言える。調子が悪くても試合は来るし、だからこそ全員の力じゃないと勝ちきるところまではいけない。目の前の試合を全員で取りにいく」と不退転の姿勢を強調した矢野監督。悲願の16年ぶりリーグ制覇へ、〝生みの苦しみ〟は続く。

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