借金12のうち“8割強”がヤクルト戦… 強打のDeNAが途端に打てなくなるワケ

DeNA・三浦大輔監督【写真:荒川祐史】

3タテ食らい今季4勝14敗2分 来日1年目サイスニードには3戦0勝2敗

■ヤクルト 4ー2 DeNA(23日・横浜)

DeNAは23日、本拠地・横浜スタジアムでヤクルトに2-4で敗れた。3タテを食らい、今季の対戦成績は4勝14敗2分。トータルで借金12(46勝58敗14分)のDeNAだが、ヤクルト戦だけで借金10にのぼる。来季以降の上位進出には、まず燕対策から始めなくてはならないだろう。

「相手の先発から1点しか取れなかった。なかなか攻撃させてもらえなかったということ」。三浦大輔監督は試合後、敗因をそう分析した。来日1年目のヤクルト先発・サイスニードの前に4回まで無安打。5回1死から、牧秀悟が高いバウンドの三塁内野安打でチーム初ヒットを記録したが、続くネフタリ・ソトは149キロ速球に押されて遊ゴロ併殺打に倒れた。

3点を追う7回、先頭のタイラー・オースティンが右翼フェンス直撃の二塁打を放ってようやく反撃の狼煙。1死後に牧が左中間を破る適時二塁打を放ったが、結局7回4安打1失点に抑え込まれた。

サイスニードに対しては、これで今季3戦0勝2敗、対戦防御率2.41。この日も“丸腰”で臨んだわけではなく、ストレートに的を絞る対策を立てていたが、三浦監督は「とらえ切れなかったですね。ストレートをとらえたのは、(4安打のうち)オースティンの1本だけですから」と肩を落とした。

DeNAはチーム打率.258も…対ヤクルトでは.233に低迷

いったん火がついたら止まらない爆発力を秘めるDeNA打線は、チーム打率.258。ヤクルト、広島と僅差のトップ争いを演じているが、ヤクルト戦となると.233と極端に落ちる。「ヤクルトバッテリーにうまく攻められているというところですね。(対戦成績が悪い)要因の1つだと思います」と三浦監督は言う。

21日の対戦でも、相手先発のスアレスに5回2失点と抑えられ今季5勝目を献上。スアレスにも今季4戦0勝3敗、対戦防御率2.57と極端に分が悪い。スアレスもサイスニードに似て、150キロを超えるストレート、ツーシームが持ち味。DeNA打線には外国人投手の球威のある、しかも微妙に変化するストレートを苦手にする傾向があるようだ。

逆にヤクルトにとってDeNAは、貯金15のうち3分の2の10を稼がせてもらい、6年ぶりの優勝を狙う上で今後、ますます大切にしたい“お得意様”。この対戦は残り5試合。ハマの番長率いるベイスターズは、意地を見せることができるだろうか。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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