柔らか弾力 順調に生育 ガーゼ服専門ブランド「ao」 自社畑で綿花収穫 ベビー肌着の原料に 糸魚川市

 糸魚川市中宿の縫製工場「美装いがらし」のガーゼ服を専門としたファクトリーブランド「ao(アオ)」(五十嵐昌樹社長)は、同市宮平の自社畑で栽培する綿花の収穫作業を始めた。

綿花の収穫作業に参加した子どもたち。柔らかく弾力ある触り心地を喜んだ(糸魚川市宮平)

 同社は糸魚川産の綿を使った生地で仕上げたベビー肌着を、糸魚川で生まれた赤ちゃんにプレゼントする「いといがわコットンプロジェクト」に取り組む。商品化し、一般販売も行っている。

 毎年、肌着の原料の一部に使われる綿を育てるところから手掛けており、茶綿のオーガニックコットンの栽培を始めて7年目になる。栽培は自社畑以外にも市内の障害者就労支援施設や小中学校、個人など、今年は約30カ所で行われた。それぞれが収穫した綿花を回収して買い取り、全収量は約50~70キロほどになるという。

 25日に今年2回目の収穫作業が行われ、同社スタッフと手伝い募集の参加者12人で畑の綿花を集めた。割れた実から盛り上がる綿毛を見つけ、柔らかで弾力のある触り心地を感じながら摘み取った。同市大和川の看護師、奥村歳子さん(40)は「すてきな取り組み。景色のいい所で収穫に没頭できて、とても楽しい」と汗を拭った。

 五十嵐社長は「少しずつ(ベビー肌着を)手に取っていただける機会が増えている。地域の子どもたちも赤ちゃんのためにと栽培してくれ、その思いがうれしい」と話した。

 収穫作業は11月上旬まで続く。

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