韓国紙「日本のネット言論を《現地世論》と言うな」「《ゴミ捨て場》の意見が国粋主義記事に」

韓国紙の日本報道に「ダメ出し」が出ている。

釜山日報は26日、イム・ヨンホ釜山大メディアコミュニケーション学科教授の批評記事『世論報道とコメント活用』を掲載し、日本と韓国のアフガニスタン協力者の救出作戦で明暗が分かれ際に、韓国メディアで偏向報道があったと批判した。

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イム教授は、「極めて些細な問題でも党派性区分に応じてことごとく対立する報道機関も、この事件にのみは異例的に肯定的な報道一色だった」と指摘。

「韓国人が日本に対して感じる伝統的なライバル意識を考えると、国内(韓国)のマスコミが興奮したのも驚くことではない」としつつ、韓国軍によるアフガニスタン救出作戦について事細かくメディアが報じたとイム教授は伝えた。

その際、韓国メディアの報道は、救出作戦が「失敗」(一人の救出)に終わった日本を取り上げ、日本国内の反応がどのようなものかまで報じた。イム教授は「国内外の世論の動向を報告することは当然のことである」としつつ、「しかし、この過程で眉をひそめるような無理筋(な手法)も明らかになった」と指摘した。

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例として、「日本人は(韓国を)羨ましがっている」「日本政府への怒りを露わにした」というものや、「(韓国人らは)命がけで働いた自衛隊に失礼だ」「タリバンは韓国人が(身代金で)何の価値もないとみた」などの嫌韓的なものまで韓国各紙は伝えた。

イム教授は、「この二つの報道はすべて韓国人の民族的感性を刺激する、いわゆる《クッポン》(国粋主義)の記事という点で共通点がある」とし、出所がネットユーザーという匿名者のコメントであるにも関わらず、これを現地世論と伝えることに違和感を示した。

続けて、「コメントは一般人の意見を生き生きと伝えるので、うまく活用すれば無味乾燥な記事に活気を吹き込むことができる」としつつも、「しかし、コメントは、任意である点では意見の《ゴミ捨て場》のようだ」と指摘。

イム教授は、「人々は自分の意見を表現する前に、世論の全体的な雰囲気を察して顔色を見る傾向がある」とし、「一部の過激なコメントが多数意見に化けて、実際に世論を左右することもある」とし、注意を促した。

昨年12月に韓国の牙山政策研究院がエムブレインパブリックに依頼し調査した結果によると、韓国人回答者の71.5%が「日本が否定的な影響を与える」と答えている。

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