米紙「サムスンのせいで韓国部品メーカーが干上がる」「Galaxyの中国部品採用相次ぐ」

サムスンがスマートフォンにマルチカメラシステムを採用した後、韓国の部品メーカーではなく、中国の競合他社がサムスンの注文をより多く受注し、この数年間で好況を謳歌していると米サム・モバイル紙が29日(現地時間)報道した。サムスンの中国の依存が高まり、韓国メーカーが「干上がっている」と伝えられた。

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韓国のレンズサプライヤーは昨年、全社が赤字を記録した。ヘソンオプティクス社は、今月初めにレンズモジュールの生産を全面中断した。セコニクス社のみが、韓国スマートフォンカメラのレンズサプライヤーのなかで、営業利益を記録したことが分かった。

それ以外の韓国のサムスン協力企業はすべて利益を上げられず、廃業の危機に瀕する企業もあるという。「サムスン城下町」に一体何が起きているのだろうか?

サムスンはアップルのiPhoneや中国のスマホメーカーとの競争が激化するなか、Galaxyスマートフォンの生産コスト削減に注力している。このため、サムスンは、より多くの物量を中国現地のODM企業に生産委託せざるをえない一方、TCLやBOE、ATLなどの中国サプライヤーから、レンズだけでなく、OLEDパネルやバッテリーなど、より多くの部品を調達し始めた。

Galaxy Aシリーズなど、低価格帯スマートフォンのモデルにはTCLとBOEのパネルが多く使用され、プレミアム価格帯のGalaxy S22シリーズにもATLのバッテリーが採用されることが分かった。日本のオリンパスがGalaxy S22シリーズのカメラシステムに適用されるという噂もあったが、これについては頓挫したと伝えられた。

業界では、サムスンにモジュールを供給することにより大きな利益を得た中国企業が、LCD(液晶テレビ)分野で中国が韓国を抜いたのと同様に、カメラモジュール分野を支配する可能性を危惧しているようだ。業界関係者は、このままでは、国内のレンズ産業は希望が消えると主張したとサム・モバイルは伝えた。

サムスン電子がスマートフォン製造において、中国OEM業者を通した生産を増やしているとの報道は2年ほど前から出ていた。スマートフォン市場で世界1位を守るサムスンだが、iPhoneだけではなく、シャオミなど中国メーカーの激しい追い上げを受けている。特に中国メーカーには製造コストで敵わないことから、彼らと同じように中国現地での委託生産や部品調達を迫られた形だ。

昨年初めに52歳の若さでサムスンのスマホ部門事業部長に任命されたノ・テムン社長はこの急先鋒であり、自社のAP(アプリケーションプロセッサ)でさえ、スナップドラゴンに劣るとの理由で除外したことで有名だ。実際、ノ社長が就任した当時、自分たちの仕事が減ると危惧した韓国の中堅電子部品メーカーの声が報道などで度々伝えられていた。

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