SUMCO 新たに272億円設備投資 子会社でウエハー生産増強 大村

 半導体用シリコンウエハー製造大手SUMCO(東京)は30日、高精度のウエハー生産能力の増強に向け、子会社のSUMCO TECHXIV(長崎県大村市雄ケ原町)の工場で、新たに総額272億円の設備投資を行うと発表した。同工場では既に100億円規模の設備投資が進められており、世界的な半導体不足が続く中、材料の安定供給を目指す。
 高速大容量の第5世代(5G)移動通信システムやIoT(モノのインターネット)の普及、自動運転技術の進化を受け、半導体に求められる性能は飛躍的に向上。今回の設備投資では、こうした需要に対応できる直径300ミリの最先端シリコンウエハー製造に関する設備を増強する。
 内訳は建屋の増築などに165億円、ウエハー製造設備に107億円を予定。2023年内に設備投資を完了し、順次生産を開始する。大村の工場には8月末現在で1383人(SUMCO長崎工場含む)が勤務するが、増強に伴い100人超の雇用増も計画する。
 このほか、SUMCOは佐賀県伊万里市の九州事業所でも、生産能力増強に向け新たに建屋を整備するなど総額2015億円の設備投資を行うことも明らかにした。 

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