森里海結び環境保全・再生を 諫早でフォーラム 3日まで

講演する畠山氏=諫早市、鎮西学院大

 自然と向き合い、次世代が心豊かに生きることができる地域社会に向けた行動を考える第1回「森里海(もりさとうみ)を結ぶフォーラムin諫早市」(同フォーラム実行委主催、長崎新聞社など後援)が1日、長崎県諫早市西栄田町の鎮西学院大を主会場に始まった。3日まで講演や各地の取り組み事例報告、植樹祭などがある。
 森から海までを一つのつながりとして捉え、持続的で健全な国土環境を保全・再生するための具体的方策を考える「森里海連環学」の理念を踏まえた企画。初日は宮城県気仙沼市でカキなどの養殖を営む傍ら、気仙沼にそそぐ川の上流域で30年以上、植樹活動を続けている畠山重篤氏(NPO法人森は海の恋人理事長)の講演などがあった。
 植樹活動では体験学習の子どもたちをこれまで1万人以上受け入れてきたという。畠山氏は、一連の取り組みで流域の人々の環境問題への意識が変わり、約20年ぶりに川にウナギが戻ったこと、東日本大震災時には「(漁師として)人生は終わりだと思った」が、川の流域の環境を整えていたことが海の再生につながったと紹介した。「川の流域に暮らす人々の心の中にも木を植えてきた。森と川と海をつなげていかないと人類の未来はない」と強調した。
 同日は元NHKニュースキャスター、野中ともよ氏らによる対談もあった。2日は植樹祭(小長井町山茶花高原)や環境省事務次官の中井徳太郎氏の講演など、3日は「絶滅危惧種円卓会議」が予定されている。初日は事前登録の約100人が会場で参加したほか、オンラインでも公開。3日間の様子は後日、ユーチューブ配信も計画している。

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