【新型コロナ】宣言解除後初、台風一過の週末 神奈川の繁華街・観光地の人出は

多くの観光客が通りを埋める横浜中華街。食べ歩きを楽しむ人の姿も多かった=横浜市中区

 新型コロナウイルスに伴う緊急事態宣言が解除され、2日に初めての週末を迎えた。神奈川県内の繁華街や観光地に人出が戻り始める一方、「コロナ前」の水準に回復するかどうかは見通せず、感染防止対策に気を使いながら営業を続ける事業者からは先行きへの不安の声も漏れた。

 昼下がりの横浜中華街(横浜市中区)。マスク姿の家族連れやカップルらが通りを埋め、食べ歩きを楽しむ人の姿が目立った。

 「食べ放題はいかがですかー」「甘栗どうぞー」。呼び込みの声が響く中、埼玉県の女性会社員(23)は「小籠包を食べに来ました」。案内していた横浜市都筑区の男子大学生(22)は「宣言が出ているか出ていないかはあまり気にしない。もうコロナには慣れてしまった」と笑顔を見せた。

 夫婦で訪れた同市中区の杉山俊夫さん(83)は周囲を見回し、「みんなマスクを着けて気を付けながら楽しんでいる」と感心した様子。自身も感染対策を講じている店を選び、会話の際はマスクを着ける「マスク会食」をしたという。

 「宣言中の土日より人は増えたが、コロナ前に比べたら半分以下」。8年ほど前から大通り沿いで客の呼び込みをしているという占い店の男性従業員(30)はそう話す。客がまばらな店内にちらりと目をやり、「売り上げが元に戻るには、どのくらい時間がかかるのか」とつぶやいた。

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