開発中のBMW M4 GT3とアウディR8 LMS GT3エボII、GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ最終戦に参戦へ

 2022年の正式デビューを予定している2台の新型GT3車両が、10月8〜10日にスペイン・バルセロナで開催されるファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ・パワード・バイ・AWS(GTWCヨーロッパ)/エンデュランス・カップ最終戦に招待枠から参戦する。イベントのエントリーリスト発表により明らかとなった。

 3時間で争われるバルセロナ戦に“インビテーショナル(招待)”枠から参戦するのは、BMWモータースポーツとしてエントリーする82号車BMW M4 GT3と、サンテロック・レーシングの26号車アウディR8 LMS GT3エボIIの2台だ。

 いずれの車両も2022年に、カスタマーチームの手により世界中でのレースデビューが予定されており、開発プログラムの一環として2021年はいくつかのレースイベントにテスト参戦してきている。

 M6 GT3の後継となるBMW M4 GT3は、トタルエナジーズ・スパ24時間レースのテストデーに参加し最速タイムをマークした後、当初6月のNLSニュルブルクリンク耐久シリーズでの実戦デビューが予定されていたが、クラッシュにより延期に。その後9月にNLSでレースデビューを果たし、これまで2イベントに参戦している。

 バルセロナ戦にM4 GT3でエントリーするのは、NLSでもステアリングを握ったアウグスト・ファーフスとフィリップ・エング。さらにイェッセ・クローンもこれに加わる。

 アウディR8 LMS GT3の2度目のエボルーションモデルである『エボII』は今年7月に発表された後、こちらも9月、『ハンコック24Hバルセロナ』で、カー・コレクション・モータースポーツからのエントリーで実戦デビューを飾っている。

 今回はサンテロック・レーシングからのエントリーとなり、マシンのステアリングを握るのは、マルクス・ウィンケルホック/フィンレイ・ハッチソン/フレデリック・ヴェルヴィッシュの3名となる。

2021年9月、バルセロナでの24時間レースで実戦デビューを果たしたアウディR8 LMS GT3の2度目のエボルーションモデル、『エボII』

■最終戦はDTMとのバッティングによりドライバー変更多数

 GTWCヨーロッパ/エンデュランス・カップの最終戦バルセロナには、これら2台を含め総勢47台がエントリーするが、シーズン中にDTMドイツ・ツーリングカー選手権がカレンダーを変更し、DTM最終戦ノリスリンクと同日開催となったことから、ドライバーにはいくつかの変更が見られる。

 シェルドン・ファン・デル・リンデがローヴェ・レーシングから、マルコ・ウィットマンがワーケンホルスト・モータースポーツからDTMに参戦するため、ワーケンホルストはバルセロナでジェイク・デニスとニック・イェロリーを34号車BMW M6 GT3で走らせる。また、同チームの35号車では、ローヴェからのDTM参戦を優先するティモ・グロックに代わり、ニッキー・キャッツバーグがエントリーしている。

 アウディ陣営のチームWRTでは、DTMのタイトルを争っているケルビン・ファン・デル・リンデの代役として、ロビン・フラインスが32号車アウディR8 LMS GT3 Evoから出場する。またメルセデス陣営のHRTでは、ニコ・バスティアンが、DTMに参戦するヴァンサン・アブリルの代役となる。

 これらのドライバー変更は、DTMレッドブルリンク戦と日程が重複したニュルブルクリンクでのエンデュランス・カップ戦でも見られたものだ。

 一方で前回のバッティング時はDTMに出場したダニエル・ジュンカデラとフィリップ・エリスの名前は、バルセロナ戦のエントリーリストに記載されている。

© 株式会社三栄