西武・多和田に戦力外通告 渡辺GM「今年1年試合に復帰できなかったプロとしての判断」

18年の最多勝右腕・多和田真三郎が戦力外に

西武は5日、18年の最多勝右腕・多和田真三郎投手(28)、大窪士夢投手(21)の育成2投手に戦力外通告をしたことを発表した。

多和田は富士大から16年のドラフト1位で入団。18年には16勝5敗で最多勝を獲得すると、19年には自身初の開幕投手を務めた。

しかし、19年9月に頻脈性不整脈と診断された後に自律神経失調症を発症。契約保留選手となり療養を続けながら練習を再開させ20年7月に支配下登録されるも、同年オフに戦力外となり今季は育成契約を結んでいた。

渡辺久信GMは多和田について「今年も育成選手になって1年間頑張ってくれていた。その中で、やはり実戦に上がれない状況もありましたし、いろいろ病気の件もあってなかなか復帰ができなかった、最多勝も獲ったり6年間ライオンズのために頑張ってくれたんですけど、ここはプロとしての判断で戦力外ということになりました」と経緯を説明した。

これを受けた多和田の反応は「来季に向けて頑張ろうとしていた矢先、本人的には突然でビックリしていた感じ」だったという。

同GMは本人の病気への対応について「球団としても何とか復帰してもらいたいと思い努力もしましたし、ケアもしてきました。やれることはやってきた中での結果なので、こればかりは何ともいえない。トレーニングはしていましたし、ブルペンに入って投球はやっていましたけど、実戦復帰には至らなかった。プロの世界ですからプロとして仕事がなかなかできない状況では来季も難しいというところの判断です」と続けた。

多和田本人には現役続行の意思があり球団側からはスタッフ等での再就職オファーは出していないという。

渡辺GMは「本人は現役にこだわりたいという感じで話していた。これからどの道を行くのか、次のステップがどうなるのかは本人次第なので分からないです」と語るに留めていた。

多和田の通算成績は72試合に登板し29勝21敗、防御率4・17。

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