寺地拳四朗 王座陥落の9・22矢吹戦「バッティング被害」主張 JBC側に通知書提出

寺地拳四朗(東スポWeb)

故意か、偶然か。前WBC世界ライトフライ級王者の寺地拳四朗(29=BMB)の陣営は先月22日のV9戦(京都市体育館)で挑戦者・矢吹正道(29=緑)から受けたバッティングが故意だったと主張する通知書を5日、弁護士を通じて日本ボクシングコミッション(JBC)および同試合スーパーバイザーの安河内剛氏へ提出した。

問題のシーンは9ラウンド(R)残り1分48秒。矢吹のヒッティングによって拳四朗は右目上をカットして流血。続く10RにTKO負けを喫し、試合後に患部を10針以上縫う処置を受けた。この試合直後から同場面の動画がスローモーション付きでSNS上に拡散。「故意のバッティングではないか?」との指摘が広がっていた。映像で確認すると、頭からぶつかりにいっているようにも見え、ヒッティングの瞬間に「頭、頭!」と叫ぶ声も聞こえる。

一連の騒動を受け、実父で所属ジム会長の寺地永氏はJBCと安河内氏へ文書を送ることを決意。永氏は「判定を覆したり、無効試合にするつもりはない。しかし、あれは明らかに故意のバッティングなので、減点2です。拳四朗が再起戦を行う際、またああいう反則行為をされるのが嫌なので、JBCおよび安河内氏にはキッチリと映像を見て確認してもらいたい」と話した。

また、文書を作成した辻口信良弁護士は「JBCのルールでは、バッティングが見られた場合はレフェリーが試合を中断してチェックし、故意の場合は減点となる。こちらとしてはケンカを売るつもりはないが、このまま黙っているのもどうかと思い、減点のルール適用も含めて〝どうなんですか?〟と問いたい」と説明した。

拳四朗の陣営は3週間の期限を設けて何らかの回答を待つという。JBCと安河内氏の対応が注目される。

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