真鶴町でコーヒー豆専門店を経営している女性がいる。昨秋に岡山県から同町へ移住した栗原しをりさん(43)。「食料品を専門店で買う地元住民が多く、店から交流が生まれる町の温かさに引かれた」と今年1月に店を開いた。今後は町の土産になるような、オリジナル商品の開発を目指している。
店外まで漂うコーヒーの香ばしい匂いに、通行人が思わず足を止める。「watermark(ウオーターマーク)」(同町岩)には、栗原さんが焙煎(ばいせん)したコーヒー豆12種類が並ぶ。
熟した果実のような甘みのある「果琲(かひ)」や、岡山県のジャズイベントのために作った「Jazz」などを用意している。
小さい鍋で豆をいるため、1種類約400グラム作るのに1時間かかることも。「小規模な設備で少量ずつ作るからこそ出せる味わいが魅力」と栗原さんはほほ笑む。