真岡の祭り名物「赤いか」オンライン販売で全国から注文舞い込む

オンライン販売を始めた「赤いか」

 市井酒店(真岡市久下田、市井元(いちいはじめ)代表)は6日までに、イカの加工食品「赤いか」をオンラインで発売した。コロナ禍で酒類販売が苦戦する中、巣ごもり需要の獲得を目指す。既に全国から注文が舞い込み、小売店のバイヤーから問い合わせもあるという。同店は、赤いかのブランド化を進め、さらなる販路の拡大に取り組む。

 赤いかは、祭りで販売されるなど地域で愛されてきた煮イカが原点。約30年前、先代の父が酒のつまみとして合うようアレンジして誕生し、店頭で販売してきた。

 北海道松前産の高級スルメと秘伝のタレが原料で、イカ本来の風味を生かす。赤く色づけた点が特徴。気温によってゆで時間を変え、夏季は塩味を濃くするなどこだわりの調理をしている。地域での人気は高く、原材料高で販売を休止した際は、顧客から復活を望む声が多く寄せられた。

 オンライン販売は、真岡市の小規模事業者向け補助制度も後押しした。真空パックの機械を購入し、冷蔵での長期保存を実現した。「温かい商品を食べたい」というニーズに応えるため、湯煎に耐えられるパック素材を採用した。

 オンライン販売は9月下旬からスタートし、東京都や福岡、広島県など各地から注文が寄せられた。現在は、電子商取引(EC)サイト開設支援サービスを利用しているが、市井代表は「ゆくゆくはホームページをリニューアルし、自社のECサイトを持ちたい」と意欲を燃やす。

 贈答用としての展開なども視野に、ブランド化にも取り組む。その一環として、商標登録を出願した。

 市井代表は「赤いかを通して、真岡市を知ってもらいたい。地域おこしにもつながれば」と話した。赤いかは1枚800円。

「赤いか」のオンライン販売とブランド化に取り組む市井代表

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