吉田麻也が異例言及「チーム解体」の現実味 柴崎の〝自爆パス〟でサウジに屈辱敗戦

大一番で柴崎が大失態(ロイター)

【サウジアラビア・ジッダ7日(日本時間8日)発】森保ジャパンが“衝撃の自殺パス”で崖っ縁に追い込まれた。日本代表はカタールW杯アジア最終予選サウジアラビア戦に0―1と敗れ、7大会連続のW杯出場に黄信号がともった。森保一監督(53)が司令塔として重用してきたMF柴崎岳(29=レガネス)がバックパスをミスして相手に決勝点を献上する大失態。批判が高まる指揮官の“解任Xデー”がいよいよ迫ってきた。

森保監督が起用にこだわってきた柴崎が“超A級戦犯”となった。0―0で迎えた後半26分、日本にとって絶望の瞬間が訪れる。ハーフウエーライン付近でボールを受けた柴崎が相手からのプレッシャーを受けて苦し紛れにバックパス。DF吉田麻也(サンプドリア)を狙ったつもりが大きくずれて相手にとって絶妙な“スルーパス”。そのままFWブリカンに突破され、ゴールを許してしまった。重要な局面でまさかの“自爆パス”が飛び出し、痛恨の先制点を奪われた。

この日の柴崎は後半5分にも簡単にボールを奪われて大ピンチを招くなど凡ミスを連発。再三チームを危険にさらし、日の丸戦士としては間違いなく失格だ。

それでも森保監督は「特に最後パスを出した柴崎に関しては、本当にそれまで広範囲に攻守に貢献してくれていたので、そのミスだけを責められるべきではない。非常によくやってくれた。ピッチに立たせたのは監督である私なので」と全面擁護。交代についても「もっと早ければという部分について、タイミングは間違っていなかったと思っている」と、適切だったと“強弁”した。

最終予選3試合目にして2敗。W杯出場も土俵際まで追い詰められた。それでも指揮官は「ベースの方向性は間違っていない。目標に向かっていくサッカーについては間違っていない」と繰り返し森保ジャパンの正当性を主張した。

しかし、窮地に陥った実情は他ならぬ選手が痛感している。主将の吉田は「サッカーの監督やダイレクターは結果が出なければいつクビが飛んでもおかしくない」とした上で「監督、組織が変われば選手も変わる。万が一(チームが)解体してチームの活動が終わればおそらく(メンバーは)ガラッと入れ替わるだろう。自分自身もそこが区切りになると思っている」。自身は森保監督と“心中”を示唆し、いつ指揮官の解任劇が起きても不思議ではないと覚悟しているのだ。

次戦となる12日のオーストラリア戦はホームでの一戦。これを落とせば森保監督の進退問題が浮上することは避けられない。最終予選の真っ最中での緊急登板になる後任指揮官は、現在のメンバーを把握している必要があるため、日本サッカー協会の反町康治技術委員長や横内昭展コーチ、ロシアW杯を率いた西野朗前監督らが候補となってくる。“代打屋”の岡田武史元監督は、すでに指導者ライセンスを返上しており指揮はできない。

大一番となるオーストラリア戦は待望論が多いFW古橋亨梧(セルティック)の1トップ起用など大幅なメンバーの入れ替えが求められそう。解任にリーチがかかった森保監督は“最終決戦”でどんな手を打つのか。

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