【競泳】池江璃花子 4年生へ涙の惜別「水泳が楽しかったと思って卒業してもらえたら」

池江璃花子

競泳の日本学生選手権最終日(10日、東京辰巳国際水泳場)、女子800メートルリレー決勝が行われ、小堀倭加(3年)、伊藤悠乃(4年)、持田早智(4年)、池江璃花子(3年)の日大が8分0秒49の大会新記録で優勝を飾った。

レース後、アンカーを務めた池江璃花子(21=ルネサンス)は「とにかく優勝しようって話をしていた。目標は周りじゃなくてタイムとの勝負。大会記録が出たら確実に優勝できるから、それを目標にみんなで力を合わせ、自分たちがみんなのために泳ぐことを意識しました」と振り返った。

この大会を最後に4年生は卒業。リレーメンバーで同じルネサンス所属の持田について「中学1年からルネサンスに入って、ずっとずっと一緒。中学記録を更新して、更新されて…と勝負し合って。初めて世界水泳で一緒に組んだリレーが200メートルのフリーリレーで、最後に組む種目がまた200メートルのフリーリレーで」と話すと、一気に涙があふれた。

回想とともに感情も激しくなり、涙が止まらない。池江は「最後はチームとして仲間として一緒に戦えた。ずっとこの6年間、持田選手がつらいところもたくさん見てきたし、お互い切磋琢磨してここまで来れたと思っているので、本当に感謝しかないです」と泣きじゃくりながら思い出を語り尽くした。

また、リレーを組んだメンバーに対しても「みんながいなければ大会記録は絶対、更新できなかった。チームのために戦うって、すごく大きな力が出るんだなって改めて思いました」と感謝の言葉を忘れなかった。

最後は泣き顔が笑顔に変わり、4年生へ「贈る言葉」を口にした。

「大学1年生の時は自分が病気でインカレに出れず、2年生の時は全然チームに貢献できず。今年は4年生に笑顔で、最後の集大成として水泳が楽しかったって思えるような、その気持ちを(リレーで)すごく伝えたかった。悔いなく、水泳が楽しかったって思って卒業してもらえたら、すごく私もうれしいなと思います」

白血病を克服し、絶望視された東京五輪で奇跡を起こした。支えてくれた先輩への感謝を胸に、池江は新たな夢に突き進む。

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