おせち商戦はや号砲 続くコロナ、横浜の百貨店のトレンドは?

9月29日から店頭での予約販売を始めたそごう横浜店=横浜市西区

 百貨店各社によるおせち商戦がスタートした。今年も新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う「巣ごもり需要」が見込まれる中、各社は自宅にいながら料亭やレストランの味を楽しめるものや1人用など、幅広く展開。コロナ禍での需要に応えながら、種類や在庫を充実させている。

 そごう横浜店(横浜市西区)は9月29日、店頭での予約販売会を開始した。初日の受注件数は前年比1.5倍の309件と、好調な滑り出しだ。

 今年力を入れているのは、家にいながら外食気分が味わえる「料亭・名店のおせち」だ。昨年より11種類増やして約90のバリエーションを用意。日影茶屋(葉山町)の「和三段重」(5~6人前、8万6400円)や、和食料理店を運営するきじま(同市戸塚区)の「うみさちおせち」(4人前、7万8千円)など、県内にある名店の商品も販売している。

 緊急事態宣言の解除を受け、「今年は親戚で集まろうと考える人も増えるのでは」と話すのは、同店で食品やレストランを担当する鈴木基明部長。取り分けが不要な1人用も充実させるなど、コロナ禍で多様化する需要に応える考えだ。

 横浜高島屋(同市西区)は、店頭・ネットを合わせて約1150種類を用意。全体の数としては例年並みだが、「お一人さまおせち」や、レストラン・料亭と連携したものなど昨年人気だった商品を拡充させた。

 “地元”にもこだわった。「神奈川ブランドのみでつくったおせち」(2~3人前、1万6200円)は井上蒲鉾店(鎌倉市)の白かまぼこ、華正樓(横浜市中区)のエビチリなど、県内の名産品や名店の味を詰め合わせた商品。昨年は大みそかのみの店頭販売だったが、好評だったことを受け、今年は予約も受け付けている。

 「コロナ禍で地元の飲食店を応援したいと思っている人は多い」と、同店食品担当の岩田純一郎課長。「県内の名店の味を楽しめる商品となっている」とアピールする。

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