新型コロナウイルス感染症を巡り、真鶴町は11月から、自宅療養者向けのモニタリングサービスを導入する。患者宅に腕時計型端末とスマートフォンを配布して、血中酸素飽和度の数値を頻繁に共有することで、重症化の早期発見につなげようとするもの。既に試験運用を進めており、全国の市町村単位では初の試みとなる。
町と町国民健康保険診療所(同町真鶴)を運営する地域医療振興協会、一般財団法人「ファミリーヘルス財団」(東京都)との3者が、協力して患者の安全を確保しようとする町独自の取り組み。神奈川県の現行オペレーションであるパルスオキシメーターを使った測定などに追加する形で実施する。
町政策推進課によると、同法人が開発、運用するソフトウエアを入れた腕時計型端末を患者に常時装着してもらい、計測した数値を診療所の指定端末に転送する。就寝中などは1、2時間に1回、自動測定される仕組みになっている。
医師らがリアルタイムで体調を確認できるため、血中酸素飽和度(正常値は96%以上)が93%を下回った場合は、診療所が患者へ連絡を取って状況確認し、緊急度に応じて訪問診察や搬送などの措置を取る。
3者は12日、連携協定の締結式を行った。松本一彦町長は「自宅療養者を守るため、協力して医療支援に取り組んでいく」とコメントした。