V逸のソフトバンク デスパイネ&グラシアルに早くも残留ラブコール

去就注目のグラシアル(左)とデスパイネ

早くも残留ラブコールだ。V逸が決まり、CS進出の可能性も厳しくなっている王者・ソフトバンクで、助っ人砲たちの去就に注目が集まっている。今季がともに2年契約の最終年にあたるアルフレド・デスパイネ外野手(35)とジュリスベル・グラシアル内野手(36)のキューバコンビだ。

今季は在籍する外国人選手のフル稼働がかなわなかったホークス。〝デスグラコンビ〟も例外ではなかった。デスパイネは五輪予選での負傷の影響もあり前半戦はほとんど戦力になれず、ここまで出場74試合で打率2割5分4厘、7本塁打、33打点(14日時点)。グラシアルも5月上旬に負った右手薬指骨折の影響が長引き、今もファームでの調整が続いている。

2人の推定年俸はデスパイネが4億円、グラシアルが3・5億円。今季の稼働実績と高年齢であることを加味すれば再契約に二の足を踏んでもおかしくないが、球団内からは「V奪回を目指す上で必要な戦力」と残留を熱望する声がもっぱらだ。

コロナ禍における外国人補強が極めて不透明な今、実績あるキューバ砲をしのぐ新助っ人の獲得は至難。後半戦に入り、尻に火がついたデスパイネのパフォーマンスには「力の入れどころと抜きどころを心得ているのは力がある証拠」と評価も高い。グラシアルは故障さえなければ安定した数字を残してきただけに手放せない。

未来に向けて中南米の有望株を育成契約で獲得する新路線を開拓するソフトバンクだが、モイネロも含めた現有キューバ戦力は来季も絶対戦力と見込んでいる。特殊なキューバ政府との交渉では、実力に見合った折り合いをつけなればならないが、デスグラコンビ確保の優先度は高い。

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