日本代表が9月にスタートしたカタールW杯アジア最終予選で苦しんでいる。12日のオーストラリア戦(埼玉)に2―1で勝って2勝目(2敗)を挙げたが、同予選B組でW杯圏外となる4位に沈む中、東京五輪の〝ツケ〟が指摘された。
森保ジャパンは、A代表で主力を務めるDF吉田麻也(サンプドリア)、DF酒井宏樹(浦和)、MF遠藤航(シュツットガルト)をオーバーエージ(OA)枠で招集。OA選手は、U―24世代の中心選手だったMF久保建英(マジョルカ)、MF堂安律(PSVアイントホーフェン)、DF冨安健洋(アーセナル)とともに、1次リーグから3位決定戦までの6試合でフル回転した。
もちろん当時は金メダルへ最善の手だったが、ある元日本代表選手は「五輪は欧州のシーズン直後だったし、選手は五輪後すぐに所属チームに戻ってたけど、9月の初戦(オマーン戦)後に宏樹が、疲労を考慮して代表を途中離脱。久保や堂安がケガをして10月の大事な最終予選2試合に出られなかった」。結果論ではあるが、東京五輪を挟んだ〝オフなし〟活動が影響していた可能性があるというのだ。
さらに森保一監督の兼任体制が裏目に出た面もある。五輪世代と吉田らA代表主力との融合が進んだメリットがある一方で、前出の元選手は「ライバルチームが、最終予選の準備を進めているときに日本は五輪にかかりきりで準備に差が出たのではないか。たとえ選手を集めて活動ができないとしても、相手の分析などやれることは少なくない。実際、オマーンは日本をかなり分析した印象だった」と主張した。
4位に終わった東京五輪が、ただでさえ難しい最終予選をさらに厳しくしたようだが、森保ジャパンは直面する苦境を乗り越えられるのか。