マイナーリーガーへの住宅提供を義務化へ 「ESPN」が報じる

日本時間10月18日、「ESPN」のジェフ・パッサン記者は、選手や保護団体からの圧力が強まるなか、メジャーリーグ機構が2022年から各球団にマイナーリーガーへの住宅提供を義務付ける予定であることを伝えた。まだ正式な計画の概要は明らかにされていないが、「ESPN」が6球団の関係者から得た情報によると、すでにマイナーリーガーへの住宅提供の準備が開始されているという。関係者によると、メジャーリーグ30球団のオーナーたちは9月中旬にマイナーリーガーへの住宅提供を行うことで合意したようだ。

近年、マイナーリーガーたちは労働条件について積極的に発言するようになっており、低賃金や住宅問題など、主に経済的な問題について球団を批判するケースが目立っている。マイナーリーガーの保護団体も登場しており、マイナーリーガーの待遇改善がメジャーリーグの大きな課題として注目されるようになった。関係者によると、住宅提供については詳細を詰めているところであり、家賃を全額負担するのか、あるいは住宅そのものを各球団が用意するのかはまだ決まっていないという。

元マイナーリーガーで、マイナーリーガーの保護団体の代表を務めるハリー・マリーノ氏は「これはマイナーリーガーにとって歴史的な勝利だ」とコメント。「今年、彼らが直面している困難についての聞き取り調査を行ったとき、ほとんどすべての選手がシーズン中の住宅の確保と家賃の支払いをトップに挙げていた。その結果、我々はそれを最優先課題として解決に取り組んでいくことになったんだ」と話した。

すでにアストロズはマイナーリーガーの家賃と遠征先での宿泊費の負担を開始しており、関係者によると、アストロズにならってマイナーリーガーへの住宅提供を開始しようとしていた球団は少なくないという。マイナーリーガーを支援する姿勢を明確にするメジャーリーガーもおり、今後もマイナーリーガーの待遇改善の動きは進んでいくとみられる。マリーノ氏は「マイナーリーガーが団結して声を上げるという前例のない行動が最終的に現状を覆した」と語ったが、これはゴールではなく、待遇改善の第一歩ということになるのだろう。

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